匿名
自閉症は、痛ましいだけでなく、謎に満ちた 病気だ。この病気のうちある種のものに、遺伝 的要素が関わっているのは明らかだ。だがその 一方で、関わる遺伝子の数や、自閉症スペクト ラム障害(ASD)に分類されるさまざまな程度 の認知および社会性障害に環境が果たす役割に ついては、いまだにはっきりしない。
「Science」誌の2月7日号に掲載された新たな研 究により、このさまざまな要因が絡む発症のメ カニズムに、さらに新たな要素が加わる可能性 が出てきた。この論文では、分娩時に胎児に影 響を与えるホルモンと化学物質の相互作用も、 1つの要因になりうると指摘している。
フランス、マルセイユにある地中海神経科学 研究所のイェヘスケル・ベン・アリー(Yehezk el Ben-Ari)氏が主導したこの研究では、自閉症 行動を見せる子どもを産むようにモデル化した 妊娠したマウスの系統に、塩化物の体内レベル を下げる薬剤を投与した。すると、自閉症の兆 候を見せるはずの生まれた子マウスには、その 症状が全く見られなかったという。
これより前、2006年にマウスについて行われ た研究では、分娩時に子宮を収縮させるホルモ ンのオキシトシンが、GABA(γ-アミノ酪酸)と 呼ばれる神経伝達物質の機能に影響を与える、 重要な“スイッチ”の役割を果たすことが判明し ている。通常、GABAは胎児の成長過程にある 脳内で、ニューロン(神経細胞)を活性化させ る。しかし分娩時には、オキシトシンの作用に より、GABAは逆にニューロンを沈静化させ、 傷つきやすい胎児の脳を守る役割を果たす。こ のスイッチがうまく働かないと、ニューロンは 分娩時も活性化されたままで、重要なシグナル 伝達分子である塩化物が通常よりも高いレベル にまで上昇する。このような過程を経て生まれ たマウスには、自閉症の症状が見られるという 。
2月7日付で発表された研究では、2006年の研 究を行ったのと同じチームが、自閉症のマウス を産むようにモデル化された妊娠したマウス2 種類に対し、塩化物のレベルを下げるブメタニ ドという薬剤を投与する実験を行った。この場 合、生まれた子マウスの脳の機能は正常だった という。逆に、正常な妊娠したマウスについて オキシトシンの作用を阻害したところ、こちら では生まれた子マウスは自閉症のような行動を 見せた。
マウスを使った実験でこのような結果が出た ことは、2012年に人間の子どもを対象に実施さ れた臨床試験に加えて、さらなる明るい材料と 言える。この臨床試験では、3歳から11歳まで の子ども60名にブメタニドを投与した。その結 果、投与された子どもでは自閉症症状の重症度 が下がったという。
しかし、今回のマウスを用いた実験の結果は 、出生前の人間の胎児について、自閉症の発症 を予防する方法を示したものではない。胎児が その後、出生を経て幼児となった際に自閉症を 発症するかどうかを判断する方法がないためだ 。しかし、動物や人間を対象としたさらなる研 究を進める上で、新たな情報を提供するもので はある。
研究を主導したベン・アリー氏は、こう述べ ている。「この研究の結果が正しいと確定され たなら、できるだけ早い時点での(自閉症の) 診断が必要だということになる。治療開始時期 が早ければ早いほど、成功の確率も上がること はわかっている」
マサチューセッツ総合病院ルーリー自閉症セ ンターに所属する小児科医のアンドリュー・ジ マーマン(Andrew Zimmerman)氏によると、 子宮内にいる段階で胎児が自閉症であることを 把握できるようなバイオマーカー(生体指標) については、これを突き止める研究が盛んに行 われているという。これらの研究では、脳波、 血液あるいは尿の検査、羊水内の手がかりとな る物質などが調査対象となっている。
Susan Brink for National Geographic News
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No.12 匿名
14/06/12 19:39:51
帝王切開の場合は?
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No.11 匿名
14/06/12 19:26:00
分娩時のなんとかってのは、促進剤でも同じ効果があるのかな?促進剤使うと自閉症になるってどっかでみたんだけど。
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No.10 匿名
14/06/12 19:16:19
へぇ、すごいな!
自閉症を発症するかどうかは、分娩時の子宮収縮ホルモン(オキシトシン)にかかってるんだね。
私なりに論文の要旨をまとめると、
①分娩時にオキシトシンが働かない→②GABAがニューロンを沈静化しない→③シグナル伝達物質である塩化物が高くなる→④自閉症を発症
そこで、
遺伝子的に自閉症の素質があるマウスに③の塩化物を下げるブメタニドを投与したところ、自閉症を発症しなかった。
逆に、
遺伝子的には正常なマウスに①のオキシトシンの作用を阻害したところ、自閉症のような行動を見せた。
人間の子どもに対する臨床実験でも、ブメタニドを投与したところ、自閉症の重症度が下がった。
しかし、マウスの実験は妊娠したマウスに対するものであり、人工的に自閉症の子を産むよう操作されているため胎児が自閉症であることが推定される。
一方で、人間の胎児が自閉症であるかどうかを把握する指標は現在のところまだ研究中の段階。それゆえ、「マウスの実験同様人間も、妊婦にブメタニドを投与することで自閉症の発症を予防できる。」とは結論付けることができない。
とはいえ、今後の研究材料として有意義なものではある。
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No.9 匿名
14/06/12 14:55:44
ココハ
宇宙人のアツマリカ!
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No.8 匿名
14/02/08 17:50:17
>>5ウウン、ソノキモチガウレシイ
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No.7 匿名
14/02/08 16:56:53
すげぇな、おい!
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No.6 匿名
14/02/08 16:55:08
>>1
わかった?
私なんにもわからない
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No.5 匿名
14/02/08 16:51:57
>>4マチガッテタラゴメン
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No.4 匿名
14/02/08 16:48:58
>>3ありがとう。
アナタヤサシイ
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No.3 匿名
14/02/08 16:28:37
>>2結局まだどうしようもないんだって。薬?うったら、自閉症のレベルみたいなのが下がったけど、ずっと続くかはわからないしみたいなかんじ。お腹にいるうちに分かるようになればそれ打つのかな?
どっちにしろ、まだまだ先のはなしかな。
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No.2 匿名
14/02/08 16:16:47
誰か簡潔に教えて
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No.1 匿名
14/02/08 16:11:16
なるほど!
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