• No.1 匿名

    12/11/11 21:23:17

    ■“劇場型”の勧誘

     奈良県警は10月30日、架空の金融商品の購入を持ちかけ、奈良県田原本町の女性(79)から現金600万円を詐取したなどとして、詐欺などの疑いで住所不定、自称コンサルティング業の男(27)=同罪で公判中=と、千葉県市原市南岩崎の無職の男(21)ら3人を逮捕したと発表した。

     県警によると、3人は共謀し2月以降、女性宅に架空会社名義のダイレクトメール(DM)を発送した。
    「信託受益権」の購入を持ちかけた後、今度は電話で別の架空会社社員を名乗り「購入する権利を譲ってほしい」と勧誘。
    女性が承諾すると、再度、DMの送付元の会社をかたり「名義貸しは違法」と追い込んだ上、女性宅で現金600万円をだまし取るなどしたという。
    信託受益権とは、不動産などの信託で発生した利益を受け取る権利だ。

     詐欺グループは、DMの送付元の会社を東京都内の「日本明治開発」と名乗り、架空の環境事業や社長の写真を掲載したパンフレットも送りつけていた。全国各地でも、同じ会社名で数件、このDMが送られているのが確認されている。

    ■監視される「受け子」

     自称コンサルティング業の男の公判が開かれた奈良地裁の法廷では、犯行に至る経緯が明らかになった。

    男は高校中退後、職を転々とする中、知人からの紹介で詐欺グループのメンバーと接触した。今回の事件前には別の詐欺事件で、ATM(現金自動預払機)から現金を引き出す際の見張り役もしていた。

    3月初旬、暴力団関係者を名乗る人物から、受け子役を命じられた。

    経済苦から一旦は引き受けるも、犯行前日にやめようとしたが「やめるなら損害を弁償しろ」などと脅された。

    結局、抜けることができなかった男は行き先を知らされないまま、関東から新幹線で関西方面に移動。道中では、タトゥー(入れ墨)をした前述の無職の男が監視役のような形で同行し、被害者との受け答えを想定した受け子用のマニュアルを読まされた。

    男は奈良県に到着すると、女性宅でマニュアル通り現金600万円を受け取った。現金はそのまま詐欺グループに渡したが、縁を絶つため報酬は受け取らなかったという。

    被害女性はさらに300万円を要求され、長年積み立ててきた定期預金を解約しようとしたところで、金融機関の職員が被害を察知。女性は職員に付き添われて県警に相談した。

    県警はここで「だまされたふり」をしてもらう作戦を展開し、現金を受け取りにきた住所不定、無職の男(20)を3月に逮捕。
    さらに捜査を進め、8月末に千葉県内のウイークリーマンションで、自称コンサルティング業の男を逮捕した。

    公判では、男の逮捕現場に居合わせた交際中の女性が証人として出廷。
    被告人席に座る男を前に、弁護側の尋問に「自立して罪を償い社会に貢献してほしい」と発言し、釈放後も交際を続けて見守る意向を明らかにした。


    >>2

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