｢被災地枠｣も 就職支援が続々

東日本大震災の影響で内定取り消しが相次ぐなど､厳しい雇用情勢が続く被災地｡国は被災地の学生の就職を後押しするため､企業側､学生側双方を支援する取り組みを進めている｡民間企業には｢被災地枠｣を設け､優先的に採用する動きもある｡

厚生労働省は昨年から､卒業後3年以内の既卒者を新卒と同様に正規雇用した事業者に100万円の奨励金を支給する制度を実施している｡今回､被災地の既卒者を雇用した場合は奨励金を120万円まで増額し1事業所当たり1人だった奨励金の枠も10人までに拡大した｡

被災地の就活生には震災で経済的に困窮している学生もおり宿泊費や交通費の負担がﾈｯｸになる｡
そのため厚労省などが東京や東北で開催する｢被災学生支援就職面接会｣では､会場と被災地を無料で往復するﾊﾞｽを用意｡東京での就職活動用には､無料の宿泊施設として国立ｵﾘﾝﾋﾟｯｸ記念青少年総合ｾﾝﾀｰ(東京都渋谷区)と､労働大学校(埼玉県朝霞市)の一部を提供することも決め､経済的負担が生じないようにした｡
また､新卒向けﾊﾛｰﾜｰｸで学生の就職支援にあたるｼﾞｮﾌﾞｻﾎﾟｰﾀｰを100人増員｡求人の確保に当たると同時に､大学や避難所での出張相談に対応する｡震災で就活に後れをとったことで不安を覚える学生も多いことから東北地方の新卒向けﾊﾛｰﾜｰｸには臨床心理士を配置し心理面のｻﾎﾟｰﾄも行う｡