• No.45 匿名

    11/04/04 21:33:22

    東日本大震災で400人を超える人が死亡した岩手県山田町の斎場で、津波被害を受けて葬儀が出せない遺族らのために、隣接する曹洞宗寺院の僧侶の兄弟が火葬の度に駆け付け、ボランティアで読経している。ここまで大勢の遺体を目にした経験はなく、衝撃を受けるとともに「檀家(だんか)であろうとなかろうと供養を」と思い立った。喪服もなく、着の身着のまま参列した遺族が「手を合わせてくれるだけでもありがたい」と涙を流して感謝する場面もある。

     山田町織笠の龍泉寺(りゅうせんじ)住職の石ケ森桂山(けいざん)さん(37)と弟の一杉(いっさん)さん(36)。龍泉寺は山間部にあり津波被害は免れた。寺は遺体の仮安置所になり、計30体以上が運ばれてきた。桂山さんは幼児の遺体を見て涙が止まらなかった。2人は話し合い、「僧侶としてできることを」と遺体が来る度、焼香と読経を始めた。

     5日後、隣接の斎場で電気が復旧し、1日5、6人ずつ火葬され始めた。参列するのは親族数人だけ。遺族自身も多くが家を失うなど大きな被害を受け、葬式をあげられない状態だ。石ケ森さん兄弟は、斎場での火入れにほぼ毎回交代で立ち会い、遺族を前に、袈裟(けさ)姿で読経している。

     津波で死亡した山田町の湊ミチエ子さん(81)を25日に火葬した孫の安澤舞美さん(31)=愛知県豊田市=は「(葬式など)何もできないと思っていたので、ありがたいお経だった」と話した。祖母はリュックサックを背負い、避難しようとしたらしい。安澤さんは「お経の間、『生きたかったんだね。おばあちゃんの分まで生きるよ』と呼び掛けた」と涙を流した。

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