- ニュース全般
- 記者
- N901iC
- 06/08/26 01:54:48
・学校や療育施設などでの障害児の増加が全国的傾向にある。神奈川県内での急増ぶりは
特に顕著で、ニーズに見合う施設整備のめどが立たず、人材養成も後手に回る状況が
続いている。教育、福祉、医療などの関係機関が連携して、障害児の急増現象に即応
できる抜本策を講じることが急務である。
養護学校の場合、県教委設置の検討協議会が今年三月、急増に対応して今後十年間に
十一校の新設が必要と提言した。県内の養護学校の在籍数の増加率は全国トップ。年間
二百人のペースで増え続け、〇五年度には十年前の三割増となる約五千二百人に達した。
養護学校一校の適正収容規模は百三十人とされてきた。増加ペースに対応して毎年一・五校
ずつ新設しなければ、既存校の過密化が加速するのは必至である。しかし、県教委は「用地
確保が難題」として、新設の見通しが立ったのは相模原市内に予定する一校にとどまっている。
県内の公立小・中学校に開設された特殊学級(略称・特学)も増加の一途。〇五年度は
十年前の二倍近い六千八百人余りが在籍し、専門性の高い教員の養成が追いつかず、
障害特性に応じた指導のあり方が大きな課題になっている。
普通学級に在籍する発達障害などの子どもは小中学校などに併設された通級指導教室で
専門的指導を受けている。横浜市では、同教室に通う子どもは年々増え、十年前の約二倍の
千二百人余になった。
増えている障害児は自閉、多動性の強い子どもたち。県内では六、七年前から、従来の
出現率では予測がつかない現象が顕著になってきた。子どもの“異変”を背景とした絶対数の
増加なのか、医学の進歩を背景に障害児が顕在化したのか、専門家の間でも推測の域を出ない。
しかし、原因がはっきりしないからといって、有効策を打ち出せないことの理由にはならない。
少なくともこの数年、乳幼児健診などのあらゆるデータを基にすれば障害児がなおも増加する
ことが予測できたからである。
障害児の急増対策は緊急度が高い。関係行政機関は、従来の対策の延長線上では解決
できない、との認識を持ってほしい。「財政難」という言い訳は聞き飽きた。
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