最近ピヨピヨ多くない? へのコメント(No.42

  • No.42 ダイヤモンド(1カラット)

    25/10/03 20:59:16

    ぴよぴよの鳥の物語

    いにしへの御代、都の外れに、めづらかなる小鳥のありけり。人々、その名を知らずして、ただ鳴き声のままに「ぴよぴよ」と呼び習はしける。

    その声、春の曙に霞みわたる中、花の梢に響きて、聞く人の心を清らかに慰めけり。若き貴公子も、折ふしに耳とどめ、「世の憂きことを忘れさするは、この鳥の声なり」と思ひ給ひけり。

    ある夕暮、桜散り果てし庭にて、貴公子、さる姫君と逢ひ給ふ。姫君、いと恥づかしげに微笑みて、「ぴよぴよの鳥の声こそ、恋しき心を誘ふものに候へ」とのたまふ。貴公子、胸うち騒ぎて、「我が思ひもまた、この鳥の声に重なりて候ふ」と答へ給ひけり。

    されど世の常のならひにて、愛しき契りは長くは続かず。秋風冴え渡る頃、鳥は忽ち姿を見せずなり、姫君もまた、はかなく世を背き給ひぬ。

    その後、貴公子、花の散りしきる夜半、遠き空にかすかなる声を聞き給ふ。いと幽かに「ぴよ」と響きて、亡き姫の面影を呼びさますごとし。貴公子、袖をぬらしつつ、
    「世は夢のごとし。鳥の声にこそ、我が恋の名残は留まれり」
    とつぶやき給ひけり。

    かくて人々、今も花の季に耳澄ませば、かの「ぴよぴよ」の声、恋のはかなさを語るものとぞ伝へ侍る。

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