真面目なトピでごめん へのコメント(No.15

  • No.15 捨て石

    25/09/22 19:07:33

    四季の巡りというものは、人の心にとって何よりも大きな慰めであり、また再生の契機であるように思われます。たとえば春。まだ寒さの余韻を残す空気のなかに、ほのかな温もりを含んだ風が吹くとき、人は誰しも知らぬ間に胸の奥がほどけ、希望という名の光を抱きしめている。芽吹きの音すら聞こえるようなその瞬間、私たちは長い眠りから目覚める小鳥のように、自分自身を新しく取り戻すのです。

    やがて夏が訪れ、蝉の声が街を覆い尽くす。日差しは厳しく、汗ばむ身体は時に疲弊を覚えるけれど、ふと立ち止まれば、その燃え盛る暑さが生きていることそのものを強く突きつけてくる。夏は人に、生命の鼓動を忘れるなと告げているのかもしれません。

    秋風が立ち、木の葉が散る頃には、心の奥底から静かな感慨があふれ出す。夕暮れの茜に染まる雲を眺めれば、過ぎ去った季節がふいに懐かしく甦り、人生もまた一枚の落葉のように儚いと知る。けれどその儚さこそ、人の心を豊かにし、深くするのでしょう。

    そして冬。雪の白に包まれた世界の静けさは、人を大いなる眠りへと誘う。枝に積もる雪の重みを見ていると、自らの心の奥にも澄んだ沈黙が宿り、すべてを受け入れる柔らかさが芽生える。冬は、次に来る春の約束をそっと胸に忍ばせながら、人を静かに休ませてくれる季節です。

    このように季節は巡るたびに、人を少しずつ変えていく。場所は同じでも、空気も光も匂いも変わり、私たちはそのたびに新しい自分を与えられる。だからこそ、季節の移ろいを「気分転換」と呼ぶのは自然なことでしょう。それは外界の変化であると同時に、内なる再生の徴でもあるからです。

    そしてその移ろいに幸せを見いだせるということは、自然と心とが静かに響き合っている証拠。私たちは季節とともに生き、季節とともに老い、そしてまた、季節とともに生まれ変わるのです。

コメント

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返信コメント

  • No.16 誕生石

    25/09/22 23:04:46

    >>15
    素敵ですね。四季の歌が浮かびました♪
    この感覚を分かち合える方がいて嬉しいです。
    豊かに生きるとは決してお金をかけることではないですよね。
    このような美しい文章を楽しませていただき、とても豊かな気持ちになりまりた。
    ありがとうございます。

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