緑茶に砂糖を入れて氷を入れて飲むとおいしい

匿名

息を切らすよりも、冷静に進め

25/09/15 16:56:58

夏の午後のひととき、ふと緑茶に砂糖をひとさじ落とし、透明な氷を数片沈める。ガラスコップの底から立ちのぼる冷気と、光をうけてきらめく氷の角が、かすかな音をたてながら溶けてゆく。口に含めば、甘さと渋みが、まるで山間の川にかかる薄靄のように、重なりあい、やがて溶け合う。緑の深みに砂糖の白い光がしみ込み、苦さの奥に、静かにひそむやさしさを見いだすようである。

その味わいは、どこか遠い日、縁側に座って蝉の声を聞いた記憶を呼び覚まし、同時に未来へと延びる冷涼な道筋を示してくれる。氷片がひとつ崩れるたび、時間もまた柔らかに崩れ、甘苦の余韻となって胸にひろがる。こうして、ささやかな工夫により、ありふれた緑茶は、心を慰める清澄な物語へと変わってゆくのである。

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