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奈良県大和郡山市は、明治期の県内公認遊郭4カ所の一つだった同市東岡町に残る象徴的な木造3階建ての建物(延べ約416平方メートル)を、空き家対策特別措置法に基づく「特定空き家」に認定し、年内にも行政代執行で取り壊す方針を決めた。
近鉄郡山駅に近く、かつて遊郭として栄えた地域の隆盛をうかがわせる大型建物で、風化して朽ち果てていく様子を撮影するマニアらが訪れるスポットだった。
市が29日、ホームページで解体を担当する業者を公募で選ぶことを公表した。市としては初の空き家解体の代執行で、費用の上限は1700万円と設定。12月27日までの解体完了を求めている。
東岡町の風情が好きで、四半世紀前に移り住んだ60代の女性によると、市が代執行で取り壊す建物は2000年ごろには既に空き家だったが、「すごくきらびやかだった」と振り返る。この建物の前には料亭があり、「(俳優の)勝新太郎が来たこともあると聞いた」という。
遊郭の趣を残していた周辺の木造建物はここ数年で次々と解体され、新しいモダンな住宅の建設が進む。この女性は「町の変化は寂しいですが、この建物は危ないので解体はやむを得ないと思う」と話している。【熊谷仁志】
毎日新聞 2024/7/30 21:52(最終更新 7/30 22:37)
https://mainichi.jp/articles/20240730/k00/00m/040/361000c
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