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- 23/09/28 12:01:21
「幸せな家族」描いた日本マクドナルドの広告、ポリコレ疲れの米国人に衝撃与える
2023/09/26
日本マクドナルドが発表したアニメ広告が、行き過ぎたポリコレに疲弊する米国人たちから思わぬ形で反響を呼んでいる。
20日、日本マクドナルドのX(旧ツイッター)公式アカウントが、「特別じゃない、しあわせな時間」というキャッチコピーとともに、あるアニメ広告を投稿した。
食卓を囲んでの一家団欒。親子が楽しげにマクドナルドを食べている。日常にふと訪れる幸せな瞬間を切り取った、優しくてほっこりするショートアニメだ。後ろで流れているインストアレンジの「赤とんぼ」は、なんともノスタルジックな気持ちにさせてくれる。
制作者の「浦浦 浦ちゃん」はX上で20万人近いフォロワーを抱えるイラストレーターで、普段は独自のタッチで人気アニメのキャラクターを描いて投稿している。
注目すべきは、25日時点で閲覧数が1億2千万回に達し、コメント数が7千件を超えていること、そして、日本版の広告であるにもかかわらず、コメントの半数以上が英語圏のユーザーから寄せられたことだ。なかでも、広告を称賛すると同時に米国の現状を憂うコメントが目立った。
「日本人は分かってるね。米国だったら“両親と子供”ではなく“レズビアン二人と犬一匹”になっていたよ」
「毎回LGBTQ+(性的少数者)が出てくるCMの代わりに、健全な家族が登場するCMが流れていたらな」
「米国のマクドナルドがこんなCMを流してくれたら毎日でも食べに行くよ」
「欧米じゃこんなマクドナルドのCMはもう見れない、最後に見たのは90年代とかだと思う」
「このCMに米国中のツイッターユーザーが衝撃を受けている。日本マクドナルドは日本人に向けて作っただけなのに」
など、こんな感じのものばかりだ。日本語のコメントも「素敵」「癒される」「このシリーズが続いて欲しい」といった称賛の意見が多いが、英語圏の人々の受け止め方は何か様子が違う。
■米国を席巻するウォーク文化、「普通の家族」が差別的?
とりわけ、日米のマクドナルドの広告を比較したある投稿が反響を呼んだ。
22日、「End Wokeness(=ウォーク文化を終わらせる)」と名乗るXユーザーが、「日本のマクドナルド vs 米国のマクドナルド。この違いがお判りだろうか」 という文言とともに、日米両バージョンの広告を並べて投稿した。
米国版の広告では、黒人のトランス女性(生物学的男性)が「黒人のトランスジェンダー女性たちが伝えたい非常にシンプルなメッセージ:私たちを殺すのはやめてください」と呼びかけている。この投稿に対し、「いや、一体誰が黒人のトランスジェンダーの命を奪っているというの」「西側社会はダメになった」「日本の勝利だ」といったコメントが寄せられた。
なぜハンバーガーチェーンであるマクドナルドの広告が、自社の商品とは全く無関係な、人権団体さながらのメッセージを発信しているのか。それを理解するには、今米国を席巻する「ウォーク文化」について知っておく必要がある。ウォーク(woke)とはつまり「目覚めた」の意味で、差別問題や人権問題などに対する「意識が高い人たち」のことを指す。
そのため、最近の米国のテレビCMには、白人同士のカップルが出てくることは少なく、異人種同士のカップルが起用されるほか、スポーツウェアのCMに太ったモデルが起用されるといった風潮がある。他にも、家事などの伝統的に女性がしてきたことを男性がやり、伝統的に男性がしてきたことを女性が行うといった広告もある。
このような、差別是正を掲げて従来の価値観を転倒させるような動きに対し、消費者らは反発している。今年4月、広告にトランスジェンダー女性を起用したビールメーカーのアンハイザー・ブッシュに対し、消費者らがボイコットを展開。ビール銘柄のバドライトとバドワイザーの売り上げが、それぞれ24.6%と9.2%減少した。
今年5月には、小売り大手のターゲットが性的少数者を象徴する虹のモチーフや関連メッセージを盛り込んだ商品を展開し、大バッシングを受けた。企業側は関連商品の撤去を余儀なくされ、とりわけ、「アブプラレン(Abprallen)」というブランドの商品に、五芒星や角の生えた頭蓋骨といった悪魔崇拝のモチーフが使われていたことが批判を集め、すぐに撤去された。
日本マクドナルドの広告に描かれた「普通の家族」に米国人が衝撃を受けたのは、こうした米国の社会的背景があってのことだった。行き過ぎたウォーク文化に今、米国人は辟易している。
>>1に続く
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