2024年大河ドラマ【光る君へ】日曜20時 へのコメント（No.127）

>>119大河ラマの中の「作り話」は「学術的根拠はないが史料等から見える人物像から見てさもありなん。」と思わせる程度のものでなければならない。
例えばおんな太閤記において旭殿と旅の一座に転身したじんべえが邂逅する場面は学術的根拠のない創作であるが、「それは史料等の証拠が残っていないだけで本当は会っていたのかもしれない。」という理屈が成立する。
また、本作の紫式部が飼っていた鳥が紫式部あ籠を開けた途端逃げてしまう場面も恐らく創作だろうが、「かかる実体験が源氏物語の元になった可能性」を否定することは少なくとも現段階ではできない。
しかし、藤原道兼の性格描写は『大鏡』において花山天皇が寵愛する弘徽殿女御を亡くした哀しみを利用して同帝を出家させる件から読み取れる悪賢い人物像と大きくかけ離れており、これでは「さもありなん。」と納得する馬鹿は一人もいないであろう。
何しろこの『大鏡』の件は高等学校の古文の定番であり、日本国内で教育を受けた人間であれば大概の者が知っているからである。
このようにしてみると、大河ドラマを「ドラマはドラマ」と史実（又はそれに準ずる有名古典）との矛盾を放置して可とする所論は「大河ドラマ」の何たるかを知らぬ暴論である。