- なんでも
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前の会社の同僚に部屋を暗くして寝られないって人がいた。
なんで?と聞いたらトラウマになった話を教えてくれた。
昔部屋を暗くして寝ていたら、ふと目が覚めた。
目が覚めた瞬間自分が金縛りなことに気づいた。一瞬パニックになったが目を開くことはできることはわかった。
その時部屋のドアの方に顔を向けて横向きに寝ていたので目を開けたらドアの方を自然に見ることになる。
最初真っ暗だった部屋だったが暗さに目が慣れて物の形がぼんやりだがわかるようになってすぐに気がついた。
ドアの前に真っ黒な人影があることが。
びっくりして強盗だと思ったそうだ。しかし金縛りで体は動かない。
パニックになっているうちにその人影がこちらに近寄ってきた。殺されると思ったが人影はベッドから30センチほど離れた場所でピタッと止まり動かなくなった。
恐ろしい気持ちはそのままだったが同僚はふと思った。なんでこの人こんなに近づいてるのに真っ黒なままなんだ?と。
部屋は暗くしているとはいえ目もだいぶ慣れたのに服の形すらわからないままで、まるで空間に人の形の黒い穴が空いているような不気味さを感じた。
気がそれたせいか少し落ち着いてその強盗犯の顔を見ようと唯一動く目を動かして目線を上に向けて気がついた。
その真っ黒な人影が上半身をぐにゃんとかがめて自分の顔を至近距離で覗きこんでいるのを。
そして顔の造形のわからない真っ黒な顔に2つの目だけがハッキリと見えていることを。
気がついたら朝で金縛りもとけて人影もなかった。夢かもしれないけど、それいらい部屋を暗くして寝るのが苦手になったんだって。- 0
23/08/18 11:12:08