「志村けんさんにコロナをうつした」…「感染源」にされた女性、デマ投稿26人を提訴

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  • 23/05/18 10:23:34

コメディアンの志村けんさんにコロナをうつした――。ネットで<感染源>とのデマを流された女性が、名誉を毀損(きそん)されたとして、投稿した男女26人に計約3300万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。「デタラメな内容で人を傷つければ責任を問われると知ってほしい」と訴えている。(田中俊之)

大阪・北新地の「クラブ藤崎」でママを務める藤崎まり子さん。志村さんが新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった2020年3月、ネットに「2月末に東京・銀座で志村さんの誕生日パーティーが開かれ、参加した藤崎ママが感染させた」との内容の書き込みが相次いだ。
 藤崎さんはコロナに感染しておらず、志村さんと会ったことすらなかったが、このデマはネットの掲示板やSNSで一気に拡散した。「クラブ藤崎のママ 無自覚でコロナばらまいてる」……。藤崎さんのインスタグラムのアカウントには、「人殺し」「お前を許さない」などと罵倒するメッセージが殺到。多いときには1日数百件に上った。
 藤崎さんはインスタグラムで「志村さんとは面識がない」と説明したが、敵意むき出しの書き込みは収まらず、「襲われるかもしれない」と一時期は外出も控え、警察にも相談。「精神的に追い詰められ、おかしくなりそうだった」と振り返る。
面識ない投稿者

 藤崎さんは20年5月以降、デマを書き込んだ投稿者の氏名や住所を知るため、開示を求めて裁判手続きなどを進めた。最初にデマを発信した人が誰かははっきりしないままだが、拡散させる行為にも責任があるとして、開示された約40人のうち、示談に応じなかった26人について、今月13日付で提訴した。
 26人の居住地は東京や愛知、大阪など13都府県で、面識のある相手はいなかった。1人あたり慰謝料や調査費用など116万~250万円を請求する。
 藤崎さんは今でも店の客から「志村さんに感染させたのか」と尋ねられることがある。ネット上に誤った情報が一度拡散すると、いくら否定しても、正しい情報が伝わりにくい状況に、もどかしさを感じている。

投稿者の特定や示談交渉、提訴準備で1000万円以上かかった。訴訟を闘うには、さらに手間と時間がかかる。それでも提訴に踏み切ったのには理由がある。
 「ネットに匿名で書き込んだつもりでも、特定でき、決して匿名ではないと知ってほしい。私が訴訟を起こして立ち上がることで、根拠のない情報を基に誰かを傷つける行為が少しでも減れば」と願っている。
相談は10年前の4倍以上、侮辱罪に懲役刑を導入

 SNSの普及で、ネット上の誹謗(ひぼう)中傷の被害は深刻になっている。
 総務省の「違法・有害情報相談センター」には2021年度、6329件の相談が寄せられ、10年前に比べて4倍以上に増えた。テレビ番組に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(当時22歳)が20年にSNSで中傷された末に亡くなり、社会問題となった。
 政府は対策として、22年7月、侮辱罪に懲役刑を導入して厳罰化。同10月には迅速に投稿者を特定できるよう、プロバイダー責任制限法が改正された。従来は発信者の開示には、SNS運営会社とネット接続業者に対し、別々に裁判を起こす必要があったが、1回で済むよう簡略化された。
 IT企業でつくる一般社団法人「セーファーインターネット協会」(東京)は誹謗中傷の相談を受け付け、昨年1年間に861件の削除をサイトやSNSの運営者に要請。67%にあたる573件が削除された。
 発信者情報の開示や損害賠償請求には証拠の保全が不可欠で、協会は投稿のスクリーンショットや投稿日時、URLを記録するように勧めている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/50eec60857aee950a466ab26624edf16930a1ea5

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また誹謗中傷においては、法改正により投稿者の情報開示について簡易な裁判手続きが導入されております。

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