ＮＨＫの「衛星契約」４万５０００件減…年間目標の「４万件増」大きく下回る

ＮＨＫの「衛星契約」４万５０００件減…年間目標の「４万件増」大きく下回る

　ＮＨＫは２６日、２０２２年度第４四半期業務報告を公表した。地上波放送とＢＳ放送の両方が見られる「衛星契約」が同年度当初から同年度末までの年間実績で４万５０００件減となり、年間目標だった「４万件増」を大きく下回った。

　一方、地上契約なども合わせた契約総数は年間目標の「１０万件減」は達成できなかったが、年間実績１０万７０００件減にとどまり、目標に近い結果となった。正当な理由なく受信契約を結ばない世帯などからの割増金徴収が今年４月から始まったが、その前の“駆け込み契約”が増えたとみられる。

　ＮＨＫは２１年度からの３か年経営計画で、経費節減に向け、人海戦術による「訪問営業」から地域密着型イベントでのＰＲを中心とする「訪問によらない営業」へ移行している。新たな営業戦略が軌道に乗るまでは契約総数は減少すると見込んでいた。また、衛星契約の受信料は月額２１７０円（口座・クレジット払い）と、月額１０００円前後が一般的な有料動画配信サービスと比べて割高のため、契約減に影響しているとみられる。

　ＮＨＫが今年１月に発表した２３年度予算では、２２年度の契約総数の実績を４３万件減、衛星契約数は９万件減と見込んでいた。今回公表された報告書によると、今年１〜３月の「訪問によらない取り次ぎ（契約・住所変更など）」は衛星契約に関して３５万件、取り次ぎ全体では７３万件増えた。