- なんでも
- 桜山公園
- 23/04/20 13:32:04
福岡県春日市では、親1人が育児休業を取得した場合、生まれた子が1歳になる年度末まで在園児は保育園を継続利用できるものの、両親が同時取得した場合は退園させる運用だ。3月の市議会。実際に短期間のみ同時取得した世帯に、市側が退園を求めたケースが取り上げられた。どのような経緯だったのか―。
3月13日にあった一般質問での答弁などによると、昨年11月から約1カ月間、市内の夫婦が第2子誕生を受け、育休を同時取得。夫が復職した後、別の書類を提出した際、市側が同時取得を把握したという。この時点では保育の必要性が生じていたが、2月に「退園通知を出す」と夫婦に連絡があった。
夫婦は驚いて市役所を訪ね、説明や部内での再協議を求めたが、結論は変わらず。夫婦が市議や弁護士に相談したり市長に手紙を書いたりした末に、市は退園を取り消した。市担当部長は市議会で「顧問弁護士に相談し、『保育が必要になった現状を考えると法的に難しいのでは』という見解だった」と説明。「個別検討事案として対応を改めた」と、あくまで“特別扱い”との考えだ。
■ ■
育休の同時取得で退園が迫られることは市民に知られているのか。保育園関連の制度や手続きをまとめた市のガイドには紹介がないが、ウェブサイトでのみ公開中の要領には記載がある。
夫婦によると、夫の育休取得前に、勤務証明の発行手続きで勤務先が市に問い合わせたり、第2子の入所を妻が市に申し込んだりしたやりとりがある。「同時取得のことは伝わっていたはずだが、説明はなかった。担当部署でも一部しか運用を把握していないのでは」。夫婦は疑問を抱く。
こうした運用は「男性育休の取得に悪影響を及ぼすのではないか」。運用の改善を求める声が市議会でも浮上。市側は「育休の取得促進と、家庭保育ができずに保育園の利用を継続すべきことは必ずしもイコールではない」としつつ「地域の実情や社会情勢も踏まえて今後の検討にはなる」と、微妙な答弁をしている。
■ ■
両親が育休を同時取得した場合には「保育の必要性がなくなり、家庭での保育が可能」、「待機児童がいる実情を踏まえて、優先度の高い児童が入れるように退園を求める」。春日市こども未来課の言い分だ。
一方で、保護者の育休が終わった時点で、退園した子どもの入所申し込みはできるが、確実に入れるかどうかは約束できないという。退園児が新たな待機児童になる懸念がある。
市は今回の事例を受け、23年度の保育園入所の内定通知に、父母が育休を同時取得した場合、退園になる可能性がある旨の注意事項を同封するなど、周知方法を見直している。(黒田加那)
夫婦共に育休取るならその枠を必要な子に空けてあげるのは当たり前。
でも職場復帰する時に確実に保育園に入れるかどうかわからないって言われたら困るよね。
- 0 いいね