- なんでも
- クルクマ(酔いしれる)
- 22/08/30 18:05:07
おととし、5歳の男の子を餓死させたとして、母親とともに起訴されている“ママ友”の裁判員裁判です。2日目は証人尋問が行われ、2人の支配関係をうかかがわせるような場面を共通の“ママ友”が証言しました。
この事件はおととし4月、福岡県篠栗町で当時5歳だった碇翔士郎ちゃんが十分な食事を与えられず、餓死したものです。翔士郎ちゃんの母親・碇利恵被告(40)を実質的に支配していたとして、ともに保護責任者遺棄致死の罪で起訴されているのは、“ママ友”の赤堀恵美子被告(49)です。
30日で2日目となった赤堀被告の裁判員裁判では、2人と親しかった“ママ友”の女性が証言しました。「明るい碇さんが、どんどんいなくなった」と涙ながらに証言した“ママ友”の女性は、碇被告は赤堀被告と付き合ううち、だんだんと下を向くようになったと話しました。女性は赤堀被告から頼まれ、碇被告に3度金を貸したといいます。立ち会った赤堀被告は、「貸してもらうならちゃんとせな」と指示し、碇被告は正座をして頭を下げたということです。
女性は、翔士郎ちゃんがひどく痩せていることにも気づいたといいます。「翔ちゃん何食べたい?」と尋ねると、「マーボー豆腐が食べたい」と言ったため、その日の夜にマーボー豆腐を作って差し入れました。それが、翔士郎ちゃんが亡くなる9日前のことでした。このとき赤堀被告は、「翔見てかわいそうとは思うけどね、してやろうという気にはならんもんね」と女性に話し、碇被告と翔士郎ちゃんを突き放したといいます。
午後の法廷では、翔士郎ちゃんの幼稚園の教諭が、翔士郎ちゃんがどんどん痩せることが心配になり、碇被告と接触しようとしたと証言しました。しかし、幼稚園の送り迎えは赤堀被告が担当し、家庭訪問や手紙など碇被告との接触手段を、常に赤堀被告に阻まれたということです。
こうした話を聞いている際も、赤堀被告は表情を変えず淡々とメモをとり続けていました。
31日の裁判には検察側の証人として碇被告が出廷する予定で、赤堀被告に対する被告人質問も行われます。
赤堀被告と碇被告の主張は“ボス”と呼ばれる存在をめぐって、真っ向から対立しています。
碇被告はみずからの裁判の際、赤堀被告から「“ボス”はヤクザの知り合いで、逆らうと怖い。ときには裁判沙汰にもする」と言われていたと話し、赤堀被告がたびたび“ボス”と呼ばれる女性の存在を持ち出していたことを明かしています。
検察も、29日から始まった赤堀被告の裁判で、赤堀被告が碇被告に対して「ママ友の悪口を言って慰謝料を請求されたが、“ボス”が解決してくれて和解金を払えば許してくれることになった」「“ボス”の調査で(碇被告の)夫の浮気が発覚し、慰謝料を請求する裁判を起こしてくれる」などと“ボス”の存在をはじめ次々とウソを信じ込ませ、碇被告から多額の金をだまし取ったと主張しました。
これに対して、赤堀被告の弁護側は真っ向から反論しています。「赤堀被告は、“ボス”の存在を碇被告から聞いた」と主張しています。赤堀被告は、「碇被告が裁判の手続きや費用の支払いを“ボス”を通じてしていると話していた」「碇被告が“ボス”と決めたルールを守るために自分は協力を求められていた」などと、赤堀被告はあくまで受動的な立場だったと訴えています。
赤堀被告にとって碇被告は「久しぶりにできた友達」で、嫌われたくなくて話を合わせていただけだとしています。
この“ボス”と呼ばれたのは、実在する“ママ友”の1人・Aさんです。29日の赤堀被告の初公判で、検察側はAさんの供述調書を読み上げました。Aさんはそもそも碇被告とはほとんど面識がないとしたうえで、「慰謝料を求める裁判などは一切知らない、赤堀被告からも碇被告からも1円も受け取ったことはない、一切関わりはありません」などと、事件との関わりを否定しているということです。
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