- なんでも
- ブーゲンビリア(ドラマチックな恋)
- 22/07/13 18:08:23
私は葬祭コーディネーターとして、葬儀社で働く従業員の育成に努めています。そのため、一般の皆さまから葬儀費用にまつわる相談を受けることがあります。
今回ご紹介するのは、母親の葬儀費用が想像していた額より100万円以上も高かったという、ある男性の事例です。将来、大切な人を見送るときに後悔しないための参考にしてください。
頭の中が真っ白な状態で請求されたのは…
「知識がなかったことで100万円以上も損をした。もう金融機関などから借金するしかないのか……」
こう話してこられたのは、病院でお母さまを突然亡くされた一人息子のタカさん(仮名=以下同)。タカさんは不動産屋さんで賃貸を担当されている45歳。独身です。
お客さまをご案内中に病院から連絡が入り、急すぎて頭の切り替えができなかったそうです。
近所の人と話している最中に脳梗塞で倒れたお母さまのもとに着いたものの何も考えられずにいたところ、病院側が提携している葬儀社を紹介され、そのまま依頼することに。早速かけつけた葬儀社の人の案内で、斎場にある安置室に向かうことになりました。
泣くこともできず、頭の中が真っ白になった状態で、すぐに打ち合わせが始まったそうです。
しかし、打ち合わせとは名ばかりで、今思い返すと金額設定の話はなく、単に日程だけの話だったといわれます。
費用はだいたい、いくらくらいになるのか聞いてみたそうですが、次の言葉が返ってきたそうです。
「終わってみないと合計金額はわかりません。大丈夫ですのでお任せください」
そういわれてしまうと、「今は何も考えられないから、任せるのがいいかもしれない……プロなのだから」と自分を納得させ、葬儀社に丸投げしたそうです。
タカさんには、業者を比較するといった発想はなく、費用の相場もほぼ変わらないと思っていたとのこと。
しかし、葬儀が終わってから請求書を渡されると、不安でいっぱいになり震えがきたといいます。請求額は220万円だったのです。
どう行動すればよかったのか?
「訃報を聞いて病院に駆けつけると、すぐに退院手続きをしてくださいといわれました。死に目にも会えないばかりか、すぐに移動しろといわれても何も考えられなくて。あのとき私はどう行動したらよかったのでしょうか」
タカさんはそのときの不安だったことを語り始めます。
「葬儀社に……母が人質に取られているような気持ちになったのを忘れません。不満をいうと、母に良くしてくれないのではないか……そんな不安が湧いてきたんですよ。それにしても……あんなに費用がかかるなら、葬儀の途中でもいいから教えてくれたらよかったのに……」
葬儀社から220万円という高額の請求を受けたタカさん。そのお金はどう工面したのか。そして、後悔しないためには、本来はどのように対応すべきだったのか。彼自身にもできたことはあったはずです。
葬儀屋もヤク○と変わらないよね。
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