重度障害児を抱える母親の慟哭

  • なんでも
  • ガザニア(天才)
  • 22/06/21 16:40:36


6/19(日) 9:06配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「自分の母親から『シんでいればよかったね』って、この子が生まれたときそう言われました。子どもの誕生を喜べないってどうなんでしょうね…。この子の介護は一生続きます。この子の介護生活の中で、その言葉はいつも頭の中に残っているんです。これが実の母親の本音なので……」


 ベッドに横たわるのは、山崎育子さん(45、仮名)の三男である、陽樹君(7、仮名)だ。陽樹君は双子の兄で、上に中学1年生になるお兄ちゃんがいる。

 陽樹君は2014年、妊娠33週で、陽樹君、そして、弟の勇樹君とともに、この世に誕生した。しかし、陽樹君は仮死状態で出生──。

 母親の育子さんは、当時を振り返り、母親に陽樹君を否定されたこと、そして、夫の和明(46、仮名)さんが「しょうがないじゃないか、生まれたんだし。心配するな。自分を責めるな。大丈夫だ」と、声をかけてくれたことに救われたと話す。

■「脳性麻痺」と診断され…1時間に1回、陽樹君の体位を変える

 NICU(新生児集中治療管理室)退院後、夫・和明さんの協力のもと、二人三脚で5人での生活が始まった。しかし、陽樹君との生活は想像を絶した。

「寝られないんですよ」。陽樹君は緊張のため、夜も寝られないという。緊張というと、理解しにくいかもしれないが、脳性麻痺の場合、脳からの指令がうまく働かないため、筋肉のコントロールができず、足や腕、体全体がけい縮、つまり突っ張ってしまうのだ。

「自分で体を動かせませんから、自分から抱きつくこともない、それに緊張で身体は突っ張ってしまう。相当な体重が抱っこのときもかかるんです。ずっと同じ姿勢でいると、身体に負担がかかるので、1時間に1回ほど、体位を変えてあげないといけないんです」

一生続く介護「でもせっかくつないでもらった命」
中古で購入した200万円の福祉車両(育子さん提供)

 食事も自分でとることができないため、朝6時から夜中2時まで、約2時間おきに胃ろうから、薬やご飯を注入する。育児、いや介護は7歳になった今も続き、そして一生続いていく。しかし育子さんは苦ではないと話す。

「生かす、生かされているのかなって思うときもあります。でもせっかくつないでもらった命ですし。周りになんといわれようが、私が元気でいる間は、一緒に暮らそうと思っています」

 育子さんと和明さんは、陽樹君が快適に過ごせるようにと、家のリフォームを行い、そして、福祉車両も購入した。

「ずっと抱っこで車からも家に運ぶために、雨に濡れるじゃないですか。だから、カーポートっていう大きな屋根をつけたんです」

 育子さんの自宅には、住宅街に似つかわない、業者用の屋根が設置されている。それを含め、段差を無くしたり、壁を取り除いたりと、総額約300万円のリフォーム代がかかった。しかし、いろいろなしばりがあり、国からの助成は一部しかない。

「どうやってもお金は足りないですね。福祉車両は新車は高いので、中古で約200万円のものを購入しました。決して夫の給料も高くはないですが、やりくりしていくしかない。私も働きに出たいですが、医療的ケアがある子どもは中々、預かってもらえないですし、支援学校の往復は約2時間かかります。まだまだこういった子を抱えて、働く環境は整備されていません」

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ママ達の声投稿されたコメントを掲載しています

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    • 8
    • オシロイバナ(臆病な愛)
    • 22/06/21 18:45:14

    私の1個上の兄は6歳の時に高熱でそのまま重度障害を持って寝たきり。
    母も父も70目前。そろそろ施設にと話してる。
    施設に預けることが辛くて泣いてる。

    • 0
    • 22/06/21 18:41:20

    何事も力にならない人間ほど暴言が酷いと思う。
    人の力になれる程の心の余裕や経済的に余裕が無い人が他人を思いやるのは無理だよね。
    記事の祖母は相当余裕が無い人間なんだろね。
    そんな人は障害ある無しに関係なく違う事で暴言吐くよ。

    • 1
    • 6
    • さくらんぼ(真実の心)
    • 22/06/21 18:39:36

    とりあえず将来的に兄弟に任せようとするのだけはやめてあげて。

    • 0
    • 22/06/21 18:34:52

    ヤフーの記事で読んだわ。
    看護士や介護士のコメントもたくさんあった。
    ある程度大きくなると、家族がお手上げになって施設に入れる。

    けれど、家族が一回も面接来ないケースや、そのままドロンして連絡不能になることもあるんだって。
    お金も払わない家もあるって。

    酷いケースだと、50年も寝たきりで、家族が1回も面会に来ずに亡くなったって書いてあった。

    家族すらも生存を望んでいないのに、なんで延命させるんだろう??

    施設も介護士も手一杯。医療資源と言うんだけれど、搾取されていると当事者たちが書いてました。

    • 0
    • 4
    • 薔薇:黄(君のすべてが可憐)
    • 22/06/21 16:55:29

    祖母にドン引、苦悩する娘によくそんな事言えるね。

    • 3
    • 3
    • エキナセア(痛みを癒す)
    • 22/06/21 16:47:10

    双子なんだ

    • 0
    • 2
    • ガザニア(天才)
    • 22/06/21 16:43:05

    重くのし掛かる障害児家庭の経済的負担。その軽減を図るため、2009年産科医療補償制度がスタートした。重度脳性麻痺児の家庭に介護費用として総額3000万が支払われるのだ。多額に見えるが、一時金600万円が支払われた後は、月額10万円が20年間に渡り支払われるというもの。子の介護で働きに出られない家庭の母親にとっては、貴重な介護費用と生活費となる。

    「それ、うちの子もらえなかったんです。重度脳性麻痺児なのに? 掛金を払っているのに? なんでって?」

     現在、この産科医療補償制度が、国会を揺るがす社会問題となった。育子さんのように、掛金を支払っているにもかかわらず、補償金が支払われないという事態が起きている。

     補償金は出産育児一時金から支払われる仕組みとなっており、妊婦1人1人が掛金を支払っている。つまり、妊婦の相互扶助のもと成り立っているのだ。

    ■補償対象外とされている子供は500人

    「うちの子は少し早く産まれたため、個別審査というものに回されたのですが、当時は補償対象外になりましたが、その審査に医学的合理性がないことがわかり、2022年からは撤廃されたんです。審査が間違っていたのであれば、私たちも補償されるとばかり思っていたのですが、過去の補償対象外の子たちは、補償してくれなかったんです」

     剰余金は635億円あり、現在補償対象外になっている子どもたちは約500人。約150億円あれば、十分補償することが可能にも関わらず、国も厚労省は誤りを認めず、補償をしようとしない。

    「この制度は、軽度の子がもらえて、重度の子がもらえない、不平等だって起きています。当事者がどういう思いでいるのか、どういった負担を感じているのか、厚労省と国には知ってもらいたい。そもそも、憲法14条の法の下の平等、児童福祉法第1条の福祉を等しく保障される権利に反しているとも思います」

     現在、育子さんは同じ境遇のお子さんを持った親の集まり「産科医療補償制度を考える親の会」に参加し、国に対し救済を求めている。

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    • オドントグロッサム(特別な存在)
    • 22/06/21 16:42:42

    ヤフーの元記事でよんだ。
    これだとわかりにくいね。

    • 1
※コメント欄のパトロールでYahoo!ニュースのAIを使用しています

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