福岡で男児死亡、複数の皮下出血　0歳か、事件の可能性も へのコメント（No.8）

福岡の０歳児死亡　死因は圧迫による肝破裂　数カ所に皮下出血の痕
毎日新聞2022年05月15日21時03分


男児の遺体が見つかった現場マンションの廊下にシートを張り、室内を調べる福岡県警の捜査員＝福岡県大野城市で2022年5月15日午前11時35分、河慧琳撮影

　１４日午後４時ごろ、福岡県春日市内の病院から県警に通報があり、生後７カ月の井上新大（あらた）ちゃん＝同県大野城市筒井２＝が死亡したことが明らかになった。県警春日署は１５日、司法解剖の結果、死因は胸や腹を圧迫されたことによる肝破裂と発表した。１４日午後１時ごろ死亡したとみられる。遺体には皮下出血の痕が複数あり、同署は事件と事故の両面で母親から事情を聴いている。

　同署によると、新大ちゃんは双子の弟と母親との３人暮らし。１４日午後１時２０分ごろ母親が１１９番し、救急隊員が自宅マンションから病院に搬送したが、死亡が確認された。数カ所に皮下出血の痕があり、古いあざとみられるものもあった。発育状態に異常は見られなかったという。

　会社員の母親は育児休業中で、通報直前も家族３人で過ごしていたという。死因の肝破裂は肝臓の損傷で腹腔（ふくくう）内に重度の出血が起こり、ショック症状を招くことがある。同署は過失による転落や心臓マッサージなどで引き起こされる可能性もあるとしている。

　一方、大野城市は母親について、児童福祉法に基づき、新大ちゃんを適切に養育できるよう出産前から支援する必要がある「特定妊婦」だったと発表した。新大ちゃんも同法に基づく保護が必要な「要保護児童」だった。新大ちゃんを妊娠していた母親が同市に転入した際、前の自治体から新大ちゃんの年上のきょうだい＝別居中＝の養育が不適切だったと伝えられていた。市は家庭訪問や４カ月児健康診査票の確認、電話などで見守り、支援を続け、福岡児童相談所などとも情報を共有していた。市の担当者は「親子を見守ってきた中で虐待の兆候はなかった。大変痛ましいことと受け止めている。仮に虐待があったのであれば、市の対応に問題がなかったか検証する」としている。【河慧琳、桑原省爾】