- なんでも
- 男鹿線
- 21/12/04 15:51:39
2020年、あるアメリカ人の女性が動画投稿サービス「TikTok」に紅茶の淹れ方を紹介する動画を投稿したことが、全ての発端でした。
イギリスにおける一般的な紅茶の淹れ方は、ティーバッグにやかんで温めたお湯を注ぎ紅茶を抽出し、そののち砂糖とミルクを加えるという、おそらく大多数の日本人にとってもごく一般的な方法です。
しかし、くだんの動画においてそのアメリカ人女性は「電子レンジで加熱した水道水に牛乳を加えてからティーバッグを投入する」「明らかに大量すぎる砂糖を加える」「(アイスティーの作り方として)抽出した紅茶液に大量の砂糖とさらなる水道水を加えて冷蔵庫で冷やす」など、ともすると暴力的ともとられかねない方法で紅茶を淹れており、これが紅茶を愛してやまないイギリス人たちのあいだで大きな騒動となったのです。
そして、ついにこの問題に関してイギリス政府も動き出します。なんと、当時のイギリス駐米大使がTwitterに「正しい紅茶の淹れ方」を説明する動画を投稿し、そこでイギリスの陸海空軍に所属するそれぞれの兵士が、各々の特殊な環境でいかに紅茶を淹れるのかを説明したのです。
さらに、同年7月4日のアメリカ独立記念日には、イギリス陸軍の兵士が主力戦車「チャレンジャー2」の車上で紅茶の淹れ方を紹介する動画がイギリス陸軍の公式Twitterに投稿されました。そこでは「電子レンジではなくケトルを用意します」という、前述のTikTok動画を意識した台詞や、1773年12月に発生した「ボストン茶会事件(イギリスの植民地政策に反対した人々が、ボストン港に停泊していた船から茶箱を海に投棄した事件)」を念頭に置いた、「ティーバッグをマグカップに入れます。港にではありません」と皮肉を込めた台詞が聞かれました。
このように、イギリスでは一般社会のみならず軍隊においても、紅茶はその淹れ方も含めて、欠かすことのできない伝統文化のひとつとなっているのです。
https://trafficnews.jp/post/112854/3
- 0 いいね