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- 21/11/20 17:23:18
授業体験会でグループワークに取り組む受験生の親子たち(6日、宝仙学園中で)
広尾学園中・高(東京都港区)ではコロナの感染拡大で一斉休校中の昨年4月以降、全生徒を対象にしたオンライン授業をいち早く始めた。各教科、時間割通りに午前と午後の授業を行い、保護者らから高い評価を受けた。今春の中学入試には定員240人に対して3494人が出願し、少子化にもかかわらず前年比約40人増と、有数の人気を維持している。
その人気校と提携し、「同等の教育」を掲げ今春、都内に開学したのが広尾学園小石川中・高(文京区)だ。前身の村田女子高が共学化して名称変更した学校で、1人1台の学習用端末を駆使した教育にも力を入れる。今春入試では定員120人に対し出願者は都内最多の3801人に上った。
6日の学校説明会は、募集開始直後に定員が埋まる人気ぶり。500人以上の親子が、カリキュラムの説明に熱心に聴き入った。会社員の父親(53)は「グローバル教育と充実したICT(情報通信技術)環境で、子供の将来の可能性を広げたい」と話す。
昨年春の休校は、私立校でのICT対応の早さを見せつけた。
文部科学省が昨年4月に行った調査では、公立小中高校で休校を実施する1213自治体のうち「授業動画の配信」は10%のみ。森上教育研究所が同時期に首都圏の私立中高224校に行った調査では63%がオンラインを活用していた。一斉実施が求められる公立校に比べ、私立校は各校で素早く判断できるためだ。
同研究所の森上展安代表は「私立中受験者が増えた背景の一つには、コロナ禍でICT対応が遅れた公立中への不安もある」とみる。
首都圏模試センターによると、首都圏の私立中を中心とした受験者数は、2007年の5万500人をピークに、08年のリーマン・ショック後、減少に転じた。しかし、15年以降、7年連続で増え、21年には5万人を超えた。大手進学塾「栄光ゼミナール」によると、9月の主要塾などの4模試の受験者数は前年比約105%(約2600人増)で、来春入試の受験者数は引き続き増えるとみられる。
各校では来春入試でもコロナ感染時の救済措置や感染予防策を取る。
神奈川県私立中学高等学校協会は、コロナに感染したり、濃厚接触者となったりした受験生向けに「共通追試」を行う。同協会で試験問題を作り、県内の希望する私立中学が利用する。聖光学院や神奈川大付属、桐蔭学園など県内約20校が参加する予定だ。
学校に出向く必要のないインターネット出願は、今春に引き続き、ほとんどの学校で実施を予定する。
多様な入試
近年の中学受験では、英語や算数1教科入試など、特色ある入試が広がり、4教科をまんべんなく学ばなくても挑戦できることも人気の一因となっている。
宝仙学園中学校(東京都中野区)では、従来の国算理社の4科目入試では測れない資質・能力を持った生徒を受け入れるため、11種類の入試を用意する。今春入試では、記述式問題などで思考力を測る入試での入学者が急増し、例年より1クラス増やした。
今年行った授業体験会は、6日までの11回のうち10回が満席に。同校はコロナ禍による休校中、オンラインで双方向の授業を実施したが、保護者からは教育方針のほか、オンライン学習の内容や質を問われることも多いという。
森上代表は「中学受験する子の保護者の多くが共働きで、教育費への投資にも熱心だ。こうした家庭ではコロナ禍の家計への影響も比較的小さく、私立中受験の人気は続くだろう」と分析している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/455df18cd0afe3d4b5bd911aa655eec2cc7025c5?page=2
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