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- サガリ
- 21/05/26 05:39:57
新型コロナウイルスの感染急拡大に伴い、子どもの感染が増えている。家庭内感染が大半で、家族全員が感染して料理宅配サービスでしのいだり、小学校や幼稚園に1カ月以上通えなかったりするケースも。子どもは無症状や軽症で済むことが多く、自宅での療養となるのがほとんどだが、医療現場は「変異株の広がりで、重症化する子どもが出てくる恐れもある」と危機感を募らせている。
「感染している妻が1人で、4歳と生後1カ月の息子を見ざるを得なかった」。北九州市の会社経営の男性(37)は4月末以降、自身と妻(26)、長男、次男の家族全員が相次いで感染した約3週間を振り返る。40度の高熱が出るなど、症状が重かった男性は入院した。微熱や倦怠(けんたい)感があった妻は入院やホテル療養も選べたが、2時間置きに授乳が必要な次男や無症状で走り回る長男のことを考え、自宅にとどまった。
約10日間は買い物に全く出られず、一時は38度台の熱が出た次男を看病しながら、料理宅配サービスや保存食でなんとかしのいだ。「感染した子どもは高齢の両親にも預けられない。妻も重い症状だったら、どうしようもなかった」
1月、家族6人全員が時間差で感染し、自身はホテル療養となった福岡県内の看護師の女性(37)は、幼稚園児の次男(5)については自宅療養を選択した。先にホテル療養を終えた夫(41)や母親(65)に世話は任せられたが、長男は小学校を5週間、次男は幼稚園を4週間休むことに。「地獄のような日々だった」と明かす。
厚生労働省によると、全国の10代以下の累計感染者(19日時点)は7万989人(全体の10・4%)と、約4カ月で4万5千人以上増加。福岡県では10代2495人、10歳未満1034人(20日時点)で全体の11・1%を占める。父母など同居家族からの感染が目立ち、同省研究班の報告では1~4月、10代以下が感染した491例のうち、75%超が家庭内感染だった。同県春日市は4月、「子どもの紙おむつがなくなる」と訴えがあった家庭に物資を送るなど、自宅療養中の困り事も増えている。
同県内の軽症や無症状者向けの宿泊療養ホテルでは乳幼児食は用意しておらず、入れるのは原則4歳以上。親子用のツインルームを確保するが、幼い子ども連れにとっては窮屈だ。県医師会の派遣で、当番制でホテルに詰める横倉義典医師によると「4歳以上の子どもがいる家族でも、自宅を選ぶ場合は多い」という。
感染した子どもの入院先を決定する業務を担う九州大病院(福岡市東区)救命救急センターの賀来典之医師によると、第4波に入り、同県内で感染した子どもが入院となるケースは20件弱で、全体の1割にも満たない。「親が症状を悪化させて入院となり、子どもの預け先がないために親子で入るケースが主で、子どものほとんどは軽症。一部に基礎疾患のため免疫力が低下し、重症化の可能性があって入院した10歳未満の子どもがいた」と話す。
福岡赤十字病院(福岡市南区)の石丸敏之副院長(感染症内科)は「今のように感染者が増えると、基礎疾患のある子どもも感染しやすくなり重症化する恐れがある」と心配する。
10歳以下の子どもの入院は親の付き添いが原則必要だが、子どもが感染してしまうと、誰が付き添うか、感染していないきょうだいの世話をどうするかなど重層的に問題が起きる。石丸副院長は「家庭に持ち込まないよう、親は徹底した感染対策をしてほしい」と呼び掛ける。 (吉田真紀、小林稔子、金沢皓介、下崎千加)
西日本新聞 5/22(土) 10:15配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1caa6c91dfc478035363be809286c1d35591885f
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