• No.110 匿名

    21/08/07 22:52:05

    >>109
    「覗く女」
    勝手に続きを書いてみるよっ!



    懐かしい声がする
    「お父さん、今日はこんなことがあったんだぜ!」
    「ほー笑 凄いなぁ~」
    そんな声がリビングルームから聴こえてくる

    そう、かつてこの家にも他愛もない日常会話があったのだ

    楽しげに夫と会話する息子の手にはポテトチップスの袋
    ほらほら、ボロボロ欠片がこぼれているじゃないの!
    目くじらを立てながら、脂まみれのカスの行方が気になる
    なんて事!ペルシア絨毯の上に落ちてるじゃないっ!
    怒りを抑え切れず息子に怒鳴り散らす
    息子も夫も私の剣幕に気圧されて各自部屋へと退いていく

    散らかすなんて!イライラしながら掃除してる手がふと
    止まる こんなに家の中は静かだったかしら?

    半地下の夫の部屋を覗くと、オーディオルームだった部屋は
    もぬけの殻となっている
    えっ?どういう事? 視界から入る情報を処理出来ず
    部屋を見渡すと、似つかわない大きな姿見が空虚な部屋を
    映し出している
    夫はどこ?

    慌てて屋根裏の息子の部屋に駆け上がる 途中階段を
    踏み外しそうになりながら 心臓がドキドキする
    まさか、まさか!
    息子の部屋のドアを開けると、鼻をつく臭いがたちこめている
    カビ臭い!そう気がつくのは後になってからだった
    本棚にはビッシリと息子のお気に入りの漫画があったはず?
    しかし本棚はもぬけの殻だ どうして・・・?
    K代は記憶を手繰り寄せてみる
    ああ、そうだ!夫の部屋も息子の愛読書も全て処分した
    んだった!
    腹立ち紛れに棄ててやったんだ!スッキリした思いが
    甦る

    気がつくとリビングルームにへたり込んでいた

    そうだ、夫も息子も出て行ったんだったわ涙

    あんなに尽くしたのに、みんな離れていくのはなぜ?
    ふらふらと立ち上がると徐にお父ちゃんの祭壇から
    ローソクを手に取ると、マッチを擦る

    あははは、幸福のアタシのお家!もうアタシしか
    いないの!好きにしていいわよね?
    燃えろ!燃えろ!みんな燃えてしまえっ!

    最期の絶叫がご近所に聴こえたのか分からない
    しかし後にご近所からはこんな声が
    「いつもの鈴シャンシャンですかね?あの鈴音が
    聴こえたかと思ったら高笑いが聞こえて・・・
    その後は物凄い爆発音でしたよ もの凄く揺れました」

    隣接する住宅に延焼被害がなかったのは、亡き父親が
    護ってくれたのかもしれない

    しばらくして焼け跡に花を手向け手を合わせる紳士の姿が
    「・・・」一言も発することなく、立ち去っていく
    待ち合わせをしていたのか、赤い髪の青年に声をかける 
    「お父さん、ありがとう」
    口許はそう言っているようだ
    仲良く並んで歩く二人、もう二度とあの家を振り返る事は
    ないだろう



    本当は本家さんに続きを書いて欲しかったんだけど、
    本スレでおねだりしたら荒れちゃうからさぁ~

    でもやっぱりダメだわ笑
    情緒的な表現、文章力、想像力が足りないっ!

    これをプロットにして書き直して欲しいですっ!
    ここ、見てくださってるといいな


  • No.114 匿名

    21/08/09 00:25:47

    >>110
    「覗く女」の続きをまた勝手に書いてみるよっ!

    ずっとこれまで開運に繋がる事は全てやってきた
    自宅に神棚を祀り、近所の神社にも毎年樽酒を奉納してきた
    地元の白鬚神社、伊勢神宮、弁天堂の掃除もやっている
    そう、ありとあらゆる神仏に祈りを捧げてきた

    「どうか神様、私を見捨てた奴らに天罰を!
     そして祈り続ける私めに幸福を御与え下さい・・・」

    どれだけ祈り続けたら私の願いは叶うのか・・・
    最近、信仰に疑念が生じている

    迷いあぐねた末、かねてから昵懇としているヒーラーの
    元を訪れてみることにした
    分厚いカーテン越しの先にヒーラが鎮座している
    毎回思うのだが、この部屋には所狭しと並べられている
    開運グッズがある いくつか購入したが、効果があるのか
    よく分からない・・・

    ヒーラは私の顔を見るなり、こう言い放った
    「・・・随分と厄介な生き霊が憑いてるねぇ」
    そう言うと嫌らしい口許がニヤリと歪む
    生霊?!
    「貴女はこれまでたくさんの人に生霊を飛ばして
     きたからねぇ それが倍になってかえってきてるねぇ」
    そういうと手元の水晶玉を覗き込むと、左手が皿を
    引き寄せている 人差し指がトントンと皿の縁をたたく

    ああ、この先を聴くには対価が必要ということか・・・

    鞄の中から財布を引っ張り出す
    一万円札を皿の上に乗せると、ヒーラの左手が別の
    生き物のようにぬっと伸び、テーブルの下に消えていく

    暫しの時間が経った後、ヒーラの眼がギョロリとこちらを向く
    凝視すると暗がりだが目の前の高齢の女性の瞳が白く濁って
    見える 白内障だろうか? 歳のころは私と変わらないように
    見えるが、何歳なんだろうか・・・?
    そんな事を考えていると、目の前の女がこう言った

    「いいかい?貴女は物欲の塊となっているんだよ
     お隣りの物件が欲しくて堪らないんだろ?」
    そういうと、右側に置いてあったタバコを手に取ると
    ニヤリと笑う 口許にフィルターを挟むと火を付ける
    深く吸い込んだ副流煙を私に吹きかけてきて思わずむせる
    顔をしかめながら見据えると
    「もうお隣りの土地を監視するのはやめた方がいい・・・」

    はっ?なんでそんな事を言うのよ!

    握りしめていた拳が震えてきた
    「・・・言霊って知ってるかい? 貴女が毎日更新している
     ブログに綴っている文字には魂があるんだよ・・・
     お隣りの土地に未練があるかもしれないが、恨みつらみの
     言葉を一語一句見てる人達がいるんだよ? 
     世界中の女から覗かれてるんだよ?」

    えっ?覗かれてる?私が???

    「お隣りを覗いているつもりだろうが、貴女は見ず知らずの
     人達から日常生活を覗かれて笑われてる事を
     自覚しないとねぇ~」

    ヒーラは二本目のタバコに火を付けながら壁の時計に目をやる
    予約時間の30分が経過している・・・
    何なのっ!!!
    打開策と背中を押してもらいたくてわざわざここまで来たのに!
    怒りに震えて目の前のこの女をぶん殴りそうになる

    「・・・その眼、内に夜叉がいるね 龍神様と守護神だっけ?
     全く視えないねぇ 視えるのは怨念を纏った生霊と・・・
    おや? 片腕がない老人が悲しそうに佇んでいるねぇ~
     帰りたいって訴えているけど、心当たりあるかい?」

    カッと頭に血が上った!テーブルを叩き、椅子を蹴り
    上げてその場を去る

    部屋の外には迷える羊達がカモにされる事も知らず
    行列を為している

    こいつら馬鹿じゃないのっ?!

    叫び出したくなる衝動を抑え歩道に出る
    息が荒くなっている 変な汗が顎を伝う・・・
    息を整える・・・ 鞄から水筒を取りだし飲み干す

    覗いていたのは私よ?

    なのに覗かれていたのは私?! 

    黄昏れの空が夜の戸張へと移り変わっていく
    横浜の街の賑わいを余所にK代は駅に向かって歩いていく

    そうか「覗く女」は私ではなく、アンチの奴ら?・・・
    歩道上で天を仰ぎ、渇いた笑いが止まらない
    往来の人垣が距離を置く
    膝を付き、両手を挙げ笑い続けるK代にスマホを
    差し向ける人達

    ほら!ここにも「覗く人」がいるじゃないっ笑
    見回すと、そこには人ではない者達が長方形の
    薄い物体を私に翳している
    私の左手にも同じ物が握りしめられてる・・・
    こんなものがあるからっ怒!
    車道に投げ捨てた・・・

    ああ遠くからサイレンの音が近づいてくる・・

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