東京オリンピック中止しろ

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    • シンシン
      21/06/25 16:41:15

     「東京オリンピックの中止を求めます」。こう手書きされた段ボールを手にした男子高校生が5月末、一人で街頭に立った。無言で抗議の意を示す「サイレントスタンディング」。様子がツイッターに投稿されると反響を呼び、「参加したい」という仲間も現れた。たった一人から始まった活動が、静かに広がっている。

     京都市左京区の高校1年、那須開登(かいと)さん(15)。大阪出身で父親が米国人、母親が日本人。一時、米国に在住していたこともある。バイデン氏が勝利した2020年の米大統領選を巡る討論会などを見るなどして、社会問題により関心を持つようになったという。

     東京五輪・パラリンピックは「福島第1原発の事故後、国としてまだうまく回っていないのに、五輪に注力するのだろうか」と疑問を抱いていた。開催が近づく中、賛成よりも反対が上回っている世論調査の結果も目にするようになった。そんな状況下で大会を開催するのは「非民主的だ」と感じていた。

     初めて街頭に立ったのは5月30日。その日は日曜で特に予定がなく、自然に思い立った。「今、世界的に取り組むべきなのは、五輪ではなく、新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めること」。そんな思いを込め、段ボールにメッセージを手書きした。「CANCEL The TOKYO OLYMPICS 東京オリンピックの中止を求めます‼」。自転車で京都の中心街・四条河原町の交差点に向かい、無言のままメッセージを掲げながら、2〜3時間ほど立ち続けた。

     これまで、脱原発を訴える集いのデモ行進や、気候変動対策を求める若者による運動「Fridays for Future Kyoto(FFF京都)」に参加した経験はあったが、たった一人で「デモ」したことはなかった。初めての経験に「最初は不安もあったが、だんだん無心になっていった」。

     通行人の中には、あからさまに嫌な顔をする人もいれば、ほほ笑みかけてくれる人もいた。そんな中で唯一、話し掛けてきた人がいた。京都市立芸術大の磯部洋明准教授(宇宙物理学)だった。「多くの人が関心がなさそうに通り過ぎていくのを見て、彼の声を受け止め、共感している人がいることを伝えたい、応援したいと思った」。磯部准教授が明かす。

     磯部准教授は那須さんの了承を得て、街頭に立っている写真を自身のツイッターに投稿。6月23日までに1万5000回以上リツイートされ、「いいね」は5万2000件を超えた。「勇気ある行動」「応援します」などと多くのコメントも寄せられた。

     那須さん本人はツイッターを使わないため、街頭に立った翌日、学校で友人にスマートフォンの画面を見せてもらい、初めて反響の大きさを知った。「自己満足な行動かもしれないとも考えていたが、たくさんの人に思いが届いてうれしかった」

     この投稿は、活動の輪が広がるきっかけにもなった。投稿を見た高校1年の男子生徒からは、母親を通じて「一緒にやりたい」との連絡を受けた。「FFF京都」で活動を共にしたことがあった大学生も「参加したい」と言ってくれた。2回目のスタンディングとなった6月13日、四条河原町の交差点では那須さんの隣で、入れ代わり立ち代わり一緒に立つ人の姿があった。「投稿を見て応援に来たよ」と声を掛けてくれる人もいた。

     同世代の人たちに対し、那須さんは「社会問題を遠い出来事だと捉えている人が多い」と感じている。「でも、大人になった時に一番影響を受けるのは僕たちの世代」。他にも参加を希望する声が寄せられており、今後もスタンディングを続けるつもりだ。【添島香苗】

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