- なんでも
- 今川氏真
- 21/04/23 10:23:25
「事前に(連絡は)ありません。事後も話を聞いていない」
4月22日、宮内庁の西村泰彦長官は、定例記者会見で、こう言い切った。
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長官が指しているのは、眞子さまの婚約内定者の小室圭さんのことだ。小室家は、母親の元婚約者との間に金銭トラブルを抱えている。4月8日に、小室さんは「誤った情報を訂正する」として、28枚に及ぶ「反論文書」を出した。文書では、「解決金」を渡さない理由について、強い思いがつづられていた。
<どのような理由があろうと早期解決と引き換えに借金でなかったものが借金であったことにされてしまう事態を受け入れることはできない>そして、<将来の私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続けるということを意味します>
だが、4日後の12日に、事態は一転した。
まずお昼ごろ、元婚約者の代理人に一通のSMS(ショートメッセージサービス)が届いた。
「解決金の提案がある」
送り主は、小室さん親子の代理人である上芝直史弁護士だった。額面の提示や細かい説明はなかった。
まもなく、上芝護士は、都内で記者会見を開き、「解決金をお渡しする形で、この問題を終了したい」と解決策を明らかにした。
小室さん側の一連の対応は、あまりにチグハグで奇妙にすら映る。
前出の元婚約者の代理人は、こう感想を吐露した。
「先方の胸中はわかりませんが、世間の批判の強さは、予想外だったのかもしれませんね」
小室文書を出した当初、西村長官は「非常に丁寧に説明されている印象だ」「私もその一人で理解しました」と発言し、小室さんにおもねった。
だが世間は、長官と同じように「理解した」とは感じなかった。文書発表直後から、内容に「誠実さを感じない」などという批判の声が続出。4日後に示した「解決金」で、さらに批判の声がふくれあがった。
象徴天皇制に詳しい河西秀哉・名古屋大学大学院准教授は、こう分析する。
「あの4日間の急転換は、非難の大きさに方針転換を迫られざるを得なかった、と見るのが自然でしょう」
唐突に、「解決金」というカードを切った小室さんサイド。眞子さまも、「解決金」について事前に聞かされていた。そして、小室さん側と宮内庁は、この「解決金」ついても、対応をすり合わせているようにも見えた。
ところが、22日の会見で長官の口から飛び出したのは、解決金のことは一切「聞いていない」という言葉だった。
「小室さんと弁護士が当初から、まず文書を出して趣旨を理解してもらう。次に解決金を提案して和解、という2段階の解決策を考えていたのであれば、長官に解決金のことを説明していないのは、妙ですね。ここに来て、戦略のマズさが露呈した印象です」(河西さん)
秋篠宮家を公私ともに支える役目である加地隆治皇嗣職大夫も、小室さんの反論文書が出た翌9日の会見では、小室さんの元婚約者への対応についてこう述べていた。
「眞子さまの意向が大きかったと聞いている」
さらに、眞子さまのコメントも伝えた。
「今回発表された文書を読まれて、いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃれば有り難い」
この加地皇嗣職大夫の発言は、眞子さまに対する世間の失望感を招いた。
皇室制度に詳しい小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授も、編集部の取材にこう話していた。
「国民に寄り添い、その幸せを願うはずの皇族である眞子さまが、恋人と一緒になって一般の人を相手にけんかをしていたという事実は重い」
宮内庁と眞子さまという皇族、小室さんとその代理人弁護士らで作った「チーム眞子さま」は、当初はスクラムを組むような一体感をみせていたが、ここにきて、足並みの乱れが目立ってきた。
「宮内庁幹部らの発信したメッセージは、逆に世間の反発を増幅する結果となってしまい、小室さんの弁護士の打つ手も非常にマズく、火に油を注いでいます」(河西さん)
金銭トラブルの事情を知る人物は、こう話す。
「宮内庁幹部らが口を出したりと、小室さん自身の意向があったり、眞子さまの希望もあるようですし、弁護士の方針もある。つまり、船頭が多くて混乱しているのではないか」
元婚約者の男性は、上芝弁護士が送ったきた「解決金の提案がある」というメッセージに対して、反応を示していない。
「気持ちを整理するにも時間がかかる」(元婚約者の代理人)
眞子さまは、出口の見えない迷路に足を踏み入れたようだ。(AERA dot.編集部 永井貴子)
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