• No.1 毛利元就

    21/04/12 15:26:30

    ■ワクチン・パスポートの問題点

    一方で、いくつか整理しなければならないポイントがあります。

    まず、新型コロナワクチンを接種するかどうかは個人の判断に委ねられています。

    そうした個人の判断で決められるワクチン接種に対して、接種者だけが行動範囲が広がるという明らかなメリットがあるというのは不公平だ、という意見が出てくるでしょう。

    一方でこうした「ワクチン接種を拒否する人々」には、集団免疫を目指す現在において、その拒否に伴う何らかの負担を求めることは公平ではないか、という意見もあるようです。

    ポリエチレングリコール(PEG)にアレルギーを持つ人など、本人の意思にかかわらず明らかに新型コロナワクチンが接種できない人には、黄熱ワクチンが接種できない人に発行されるWaiver form(免除申請書)のような救済措置は必要ではないかと思います。

    2つ目の問題点としては、ワクチンの供給の問題です。

    日本国内では医療従事者、高齢者、基礎疾患のある人の順で今後ワクチン接種が予定されており、すべての人にワクチン接種の機会が訪れるまでには時間がかかります。

    そうした中で、ワクチン接種をした人だけに行動制限が解除されるというのは不公平感を生みやすいでしょう。

    また、世界的には、ワクチンの大半は先進国で消費されており、途上国でのワクチン供給はごく一部に留まっています。

    3つ目の問題点は、今後の不確定要素としての変異株の拡大が挙げられます。

    免疫逃避と呼ばれるE484K変異を持つ変異株(南アフリカ変異株、ブラジル変異株など)では、ワクチンの効果が下がるのではないかと言われています。

    実際にChAdOx1 nCoV-19/AZD1222(University of Oxford/AstraZeneca社製ワクチン)を含むいくつかのワクチンは、南アフリカ変異株が流行している南アフリカでは、他の地域に比べて低かったことが分かっています。

    こうした変異株が今後拡大することによって、地域によってはワクチン・パスポートは必ずしも新型コロナ発症リスクの低下を担保しないことにもなりかねません。

    ワクチン・パスポートの考え方は、こうした変異株などの不確定要素や、ワクチンの有効性や副反応などの科学的根拠が増えることによって、柔軟に変更されるべきでしょう。

    というわけで、海外でのワクチン・パスポートの議論を整理しました。

    まだ医療従事者のみ接種が行われている日本では、今後検討されるべき課題ですが、社会活動を再開させる上では大事な議論ではないかと思います。

    現時点では、日本国内ではワクチン接種者も、接種していない人と同様にマスク着用、3密を避ける、手洗い、という感染対策を徹底するようにしましょう。

    https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210404-00230889/

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