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- 21/04/12 15:24:33
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ワクチン・パスポートに関する海外での議論
忽那賢志 | 感染症専門医
4/4(日) 11:59
イスラエルやイギリスなど、ワクチン接種が進む地域では新型コロナの新規感染者数が大きく減少しています。
こうした中、世界各国でワクチン・パスポートが議論されています。
海外での議論の要点を整理しました。
■ワクチン接種が進む国で新規感染者数が減少
新型コロナワクチン接種が開始された国では、新型コロナウイルス感染症の症例数が減少傾向になってきています。
すでに国民の半分以上が2回のワクチン接種を完了させているイスラエルでは、一時期には1日あたり1万人の新規感染者が報告されていましたが、現在は1日あたり約200人にまで減ってきています。
同様にワクチン接種率の高いイギリスでも、ピーク時の1日あたり6万人から、現在は4000人前後まで減少傾向にあります。
この減少に寄与しているのはワクチンだけではありませんが、イギリスに比べるとワクチン接種率が高くないイタリアやフランスなどでは感染者数が高止まりしていることを考えると、ワクチンの効果は決して低くないと考えられます。
実際、ワクチン接種者の発症予防効果は第3相試験では95%と報告されていましたが、実際に接種が開始されたイスラエルやアメリカでも同等の高い効果が示されています。
また、発症予防効果だけでなく感染そのものを防ぐ効果についての知見も徐々に増えてきました。
■ワクチン・パスポートについての議論
効果的なワクチンの普及により「ワクチン・パスポート」の議論が海外で活発化しています。
現在、バイデン政権、イギリス政府、欧州連合(EU)がその実現性を検討しているほか、オーストラリア、デンマーク、スウェーデンがすでに導入を表明しています。
またイスラエルでは、すでにワクチン接種を受けた住民に「グリーンパス」を発行しています。
このイスラエルの「グリーンパス」は、ホテル、ジム、レストラン、劇場、音楽会場などへの入場を許可するものだそうです。
ニューヨークも同様に、ワクチン接種者に「エクセルシオール・パス」を発行しており、発行を受けた人は劇場、アリーナ、イベント会場、大規模な結婚式への参加が可能になるそうです。
このワクチン・パスポートとは別ですが、アメリカCDCはワクチン接種を2回完了した人は
・マスクを装着せずに屋内に集まって良い
・国内外に旅行して良い
・新型コロナと診断された人と接触した場合も、症状が出ない限りは濃厚接触者として検査を受けなくて良い
という方針をアナウンスしており、ワクチン接種者の行動が緩和されています。
■ワクチン・パスポートのメリット
こうしたワクチン・パスポートのメリットは、なんと言っても社会活動の再開がスムーズに行われることでしょう。
実際にワクチン接種をした人では、新型コロナを発症するリスクは低くなることが十分に検証されてきていることから、こうしたワクチン・パスポートを持つ人達の間ではクラスターが発生する頻度は、ワクチン接種をしていない集団と比べてずっと低くなるでしょう(ゼロにはなりません)。
またこの考え方を国際旅行にも適応すれば、ワクチン接種者はこれまでのような厳格な権益を緩めることで、国際的な交流を再び活発化させることが可能になります。
>>1に続く
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