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負けず嫌いの娘が1番になりたいと悩む
21/04/29 13:31:54
“ユキを愛でる会”グループチャットで行われた女子高生陰湿いじめの実態 https://bunshun.jp/articles/-/44520?page=1 「その服、かわいいね。ちょっと貸してよ」 そう言われてジャケットを貸すと、セーターも着たいとせがまれた。だが、セーターの下は肌着だ。そう言って断ると、気まずい空気が流れ、相手の態度が一変した。 「ちょっと、調子乗らないでよね! いいから貸してよ!」 ふざけ半分ではあったが、全員から身体を押さえつけられ、セーターと肌着を胸元までまくりあげられた。写真まで撮られた。「ごめん、先に帰るね」。恐ろしくなって、ユキはそのまま走って自宅に逃げ帰った。 加害グループを尾行 その後、いじめが始まった。放課後や休日になると、クラスメイトたちは「お邪魔しまーす」と言って無断で自宅の部屋まであがってきた。そのたびに、文房具やコスメ類といった小物がなくなった。“首絞めゲーム”と称して、気絶しそうになるまで首を絞められたこともあった。 LINEのグループチャットには入れてもらえず、学校では無視をされたり持ち物を捨てられたりした。ユキは精神的にむしばまれて、二の腕を自傷するようになり、夏にはバスタオルを使って、自室で自殺未遂した。母親が阿部氏に相談の電話をしたのは、この直後だった。 阿部氏は調査を進め、加害者グループが放課後にショッピングモールのフードコートで集まっている場面を目撃。尾行を続けると、彼女たちは店内で万引きを始めた。看過できずに声をかけると、女子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げたが、一人だけ逃げ遅れた子がいた。阿部氏が強い言葉で呼び止めると、観念した様子で立ち止まった。 「盗んだもの、どうする?」 「お金払いますよ」 「いや、一緒に店まで返しにいこう」 懐柔しながら証拠を入手 阿部氏は店まで付き添い、商品を返却させた。だが、店主から注意を受けている間も仲間からのメッセージや電話が届き、そのたびに女子生徒はスマホをいじり続けた。 「お前の起こした問題でついて来ているんだろ! これ、預かるから」 そう言ってスマホを取り上げると、阿部氏は受話器に向かってこう叫んだ。 「お前ら、どこにいるんだ! すぐ戻って来い!」 以後、電話が鳴ることはなかった。自分のために店主に頭を下げ、悪いことをしたら本気で叱る阿部氏の姿を見て、女子生徒は少しずつ素直な態度を見せるようになった。 「この中身は必要だから、見せてもらうよ」 そう言って、阿部氏は女子生徒のLINEの履歴を確認した。“ユキを愛でる会”というグループチャットで、いじめの作戦会議が行われており、それが決定的な証拠となった。ただ、阿部氏の側に情報提供をした女子生徒は、怯えた様子でこう言った。 「仲間たちに裏切りがバレたら、今度はこっちがやられる。どうしよう……」 阿部氏はすぐに知恵を働かせた。 「『万引きしたものは捨ててきた。なんとか逃げ切ったけど、スマホを取り上げられた』って言えばいいよ」 相手に逃げ道を残すことで、証拠を確実に手に入れた。凡庸な学校教師には、こうして機転を効かせたり、踏み込んだ対応を取ったりすることができないのかもしれない。阿部氏はいじめの証拠を報告書としても文書にまとめ、学校に提出。 「証拠を突きつけることで、ようやく学校が動きましたが……被害生徒の心の傷は癒えることはなく、結局転校を余儀なくされました」 現在、ユキは別の地域で新たな生活を送っているというが、そんな結末になる前にいじめ解決のための手立てが打てなかったかと、いまだに阿部氏の心残りがあるケースだという。 (取材・構成:西谷格)
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No.4 主 阿部先生の記事すごい
21/04/29 13:31:54
“ユキを愛でる会”グループチャットで行われた女子高生陰湿いじめの実態
https://bunshun.jp/articles/-/44520?page=1
「その服、かわいいね。ちょっと貸してよ」
そう言われてジャケットを貸すと、セーターも着たいとせがまれた。だが、セーターの下は肌着だ。そう言って断ると、気まずい空気が流れ、相手の態度が一変した。
「ちょっと、調子乗らないでよね! いいから貸してよ!」
ふざけ半分ではあったが、全員から身体を押さえつけられ、セーターと肌着を胸元までまくりあげられた。写真まで撮られた。「ごめん、先に帰るね」。恐ろしくなって、ユキはそのまま走って自宅に逃げ帰った。
加害グループを尾行
その後、いじめが始まった。放課後や休日になると、クラスメイトたちは「お邪魔しまーす」と言って無断で自宅の部屋まであがってきた。そのたびに、文房具やコスメ類といった小物がなくなった。“首絞めゲーム”と称して、気絶しそうになるまで首を絞められたこともあった。
LINEのグループチャットには入れてもらえず、学校では無視をされたり持ち物を捨てられたりした。ユキは精神的にむしばまれて、二の腕を自傷するようになり、夏にはバスタオルを使って、自室で自殺未遂した。母親が阿部氏に相談の電話をしたのは、この直後だった。
阿部氏は調査を進め、加害者グループが放課後にショッピングモールのフードコートで集まっている場面を目撃。尾行を続けると、彼女たちは店内で万引きを始めた。看過できずに声をかけると、女子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げたが、一人だけ逃げ遅れた子がいた。阿部氏が強い言葉で呼び止めると、観念した様子で立ち止まった。
「盗んだもの、どうする?」
「お金払いますよ」
「いや、一緒に店まで返しにいこう」
懐柔しながら証拠を入手
阿部氏は店まで付き添い、商品を返却させた。だが、店主から注意を受けている間も仲間からのメッセージや電話が届き、そのたびに女子生徒はスマホをいじり続けた。
「お前の起こした問題でついて来ているんだろ! これ、預かるから」
そう言ってスマホを取り上げると、阿部氏は受話器に向かってこう叫んだ。
「お前ら、どこにいるんだ! すぐ戻って来い!」
以後、電話が鳴ることはなかった。自分のために店主に頭を下げ、悪いことをしたら本気で叱る阿部氏の姿を見て、女子生徒は少しずつ素直な態度を見せるようになった。
「この中身は必要だから、見せてもらうよ」
そう言って、阿部氏は女子生徒のLINEの履歴を確認した。“ユキを愛でる会”というグループチャットで、いじめの作戦会議が行われており、それが決定的な証拠となった。ただ、阿部氏の側に情報提供をした女子生徒は、怯えた様子でこう言った。
「仲間たちに裏切りがバレたら、今度はこっちがやられる。どうしよう……」
阿部氏はすぐに知恵を働かせた。
「『万引きしたものは捨ててきた。なんとか逃げ切ったけど、スマホを取り上げられた』って言えばいいよ」
相手に逃げ道を残すことで、証拠を確実に手に入れた。凡庸な学校教師には、こうして機転を効かせたり、踏み込んだ対応を取ったりすることができないのかもしれない。阿部氏はいじめの証拠を報告書としても文書にまとめ、学校に提出。
「証拠を突きつけることで、ようやく学校が動きましたが……被害生徒の心の傷は癒えることはなく、結局転校を余儀なくされました」
現在、ユキは別の地域で新たな生活を送っているというが、そんな結末になる前にいじめ解決のための手立てが打てなかったかと、いまだに阿部氏の心残りがあるケースだという。
(取材・構成:西谷格)
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