• No.8 真田信幸

    21/04/06 13:46:22

    中絶の一方で…

    「産まない女性には存在価値がない」NYに存在するユダヤ教コミュニティの異様さ
    https://news.yahoo.co.jp/articles/48df76d0b0aab4bbec5b8fad9d3eba70ffed61e2
    女性には多産が求められ、避妊は許されず、教育や読書は不要とされる。そんなユダヤ教のコミュニティが、米国ニューヨークにある。一体どんな集団なのか。23歳のとき息子を連れて脱出したデボラ・フェルドマンさんの著書『アンオーソドックス』(&books/辰巳出版)の訳者解説と、デボラさんのインタビューをお届けしよう――。

    ■17歳で結婚、妊娠・出産のプレッシャーに追いつめられる

     コンピューターや携帯電話はもちろん、家にはテレビさえなく、映画も観たことがない。安息日のあいだは一切の労働が禁止されるため、ものを運ぶこともできない。女の子は12歳で成人すると人前で歌うことを禁じられ、高等部に上がると素肌と見間違われないよう、太いシームの入った茶色いストッキングを穿(は)かなければならない。

     会話や読み書きはイディッシュ語のみで、魂を毒する不浄な言語とされる英語を使うと、厳格な祖父に雷を落とされる。そんななかでも、反抗心旺盛なデボラは見つからないよう遠くの図書館や書店へ通い、禁じられた英語の本『自負と偏見』や『若草物語』をこっそり読んでは、外の世界への憧れを膨らませ、渇望を満たそうとする。

    ところが、17歳で30分会っただけのお見合い相手と結婚すると、戒律による締めつけは格段に厳しさを増す。ハシド派の女性は結婚とともに髪を剃り、かつらやスカーフで頭を覆って一生を送る。生理中とその後の7日間は不浄とされ、ミクヴェと呼ばれる沐浴場で全身を清めるまでは夫の手にさえ触れられない。花嫁教室で教わるまで妊娠の仕組みすら知らずにいたデボラの膣(ちつ)は、頑(かたく)なに夫を拒絶する。本を読むことも禁じられ、ひたすら妊娠・出産を期待されるプレッシャーによって、彼女は心身ともに追いつめられていく。

    ■女性は“産む機械”として多産を求められる

     ユダヤの人々にとって、子孫繁栄はホロコーストで失われた600万人をとりもどす戦いであり、ヒトラーに対する究極の復讐でもある。そのことの意味は計り知れないほど重い。

     ただし、そのために女性に課せられる負担もまた計り知れない。デボラの祖母が11人の子供を産み育てたように、ハシド派では女性が多産を求められ、“産む機械”と揶揄(やゆ)される。避妊は許されず、子育てに邪魔な教育や読書は不要とされ、自立の術(すべ)は与えられない。

    抑圧は女性に対するものだけではない。ここに語られるサトマール派コミュニティは独自の救急隊や自警団や教育機関を運営するほど固い結束を誇る集団で、うまく順応すれば安心と一体感をもって暮らすことができる。だが和を重んじるあまり秩序に異を唱えることを許さず、つねに互いを監視しあっているため、そこになじまない人間には生きづらい場所でもある。その閉塞感をわたしたちは他人事(ひとごと)と言い切れるだろうか。

    ■異なる国の女性たちが「私の物語」と認識して繋がりだした

    ■脱出後に自殺を図る女性はたくさんいる

     また別の段階においては、超正統派のコミュニティが常に足を引っ張ります。手紙を書いてくるんですよ。「絶対に成功できない。あなたは外の世界に属することなんてできないし、絶対に幸せにならない。死んじまえ」と。この程度はマシなほうです。彼らがそんなことをするのは、私たちの失敗に力を注げば、コミュニティに疑いを持つ子どもたちに示すことができるからです。「出て行ったら、こういうことが起こるんだよ」ということを。

     彼らは多くの出ていった人たちを自殺させようと説得します。それは機能し、多くの人が自殺しています。超正統派のコミュニティを出た人間の間には、自殺が蔓延しています。自殺を試みた男性より、自殺を試みた女性を多く知っていますが、これはまた大きな問題だとも言えます。なぜならば、出て行こうとする時の年齢が、最も被害者になりやすい世代だからです。現実的にも、感情的にも、社会的にも。

     コミュニティはその「傷つきやすい世代である」ことを利用します。「ほら、私たちが警告したことは本当でしょ。それは決して変わらない。だからもう諦めなさい」と。

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