NEW 松居一代様を斬る 2 へのコメント(No.89914

  • No.89905 匿名

    21/08/07 13:37:27

    >>89731
    足場の幕の向こうから、雨粒が窓に当たる様子が見えた。テレビの音から離れたせいか、雨音だけがガランとした室内に虚ろに響き始める。
    "あっ"早朝に置いた大事な盛り塩!
    急いで玄関でサンダルを履き、気に入りの赤い縁のビニール傘を手に取ると、一気に小さな階段を降りた。
    案の定、盛り塩は雨に形を崩しているようだ。
    片手に傘を差したまま、しゃがみこむと、
    水分を含んだ塩が綺麗に輝いて見え、無意識にひと掴み手に取ってみる。
    途端、20年前の映像が走馬灯のように
    脳裏を走り出した。意気揚々と新しい家庭を
    この地で生み出すべく、希望と期待に胸を膨らませていたあの日、あの時、そして今。
    いつのまに強く掴んだはずのものが、
    指の隙間から流れ落ちてしまったのか…
    いや、違う、もっと幸せになるんだ!
    と頭を激しく振ったのと同時に、手から先ほど
    掴んだ塩が滑り落ちた。足元を見下ろすと、
    土色に滲んだ塩の粒子がすっかり煌めきを失い、灰色のアスファルトに流れ始めていた…

  • No.89914 匿名

    21/08/07 13:45:33

    >>89905
    お待ち申し上げておりましたっ!!!
    素晴らしいっ!
    雨の中、呆然と佇むK代の姿が浮かびます!
    是非、また続きをお願いします!


    せっかくの文章がこのままだと流れてしまうのが
    もったいないです
    前回のものとこれが流れてしまわないように
    する方法はありませんか?

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