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立花道雪
在留資格のない外国人を収容する東京出入国在留管理局(東京都港区)で2月、入管収容施設では国内初の新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した。3月3日までに同局の全収容者の4割以上にあたる58人が感染し、職員も合わせると64人が陽性になった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3ece9a45bc6a78806fd89531ae212e38055fd783
閉ざされた環境の中で、収容者は不安を抱えながら過ごす。イラン人の40代男性は1月末にのどの痛みを感じ、2月11日には食事の味がしなくなった。「コロナかもしれない。うつらないように気をつけて」と職員に伝えたが、この段階では職員も「大丈夫」と答え、深刻に受け止める様子ではなかったという。その後、体調不良が続き、17日に陽性と確認された。
畳の個室には1日3~4回、防護服を着た職員が訪れて熱と血中酸素濃度を測る。一時は38度を超える高熱が出て、せきや息苦しさ、体のだるさで動けない日もあった。19日夕に同局の委託医に電話で症状を訴えると、「頑張ってください」と痛み止めを処方された。「コロナのことがもっと分かる医者に診てほしい」と訴えるが、現時点では希望はかなっていない。食事は冷めた弁当なのがつらいという。
別のブロックにいたイラン人の50代男性は3人部屋に収容されていて、同室の1人が2月17日に陽性となった。自身は陰性で「部屋を消毒してほしい。移動させてほしい」と職員に訴えたが聞き入れられなかった。20日夜に熱が上がると隣の部屋に移動が許され、24日に陽性が判明した。同室だったもう1人も陽性になったという。「入管は何もしてくれない。消毒しないで同じ部屋にいたらうつる。私たちのことを全然考えてくれない」と話す。
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