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山中鹿之介
親戚の5歳児とブロック玩具「レゴ」でおうちを組み立て、人形遊びをしていた時のこと。ブロックのおうちにピンポーンと訪ねてきたのはなんと宇宙人。5歳児の口から「ワレワレハ ウチュウジンダ」。
子どもの頃、扇風機の前や喉を叩きながら何度も発したセリフ。筆者を含めた昭和世代だけにおなじみかと思いきや、5歳児は「プリキュアで見た」。最近でも子ども向け番組や教材などで使用されていることが分かりました。
そもそも「われわれは宇宙人だ」って誰が言い始めたのでしょうか。
■テレビCMや子ども向け番組にも登場
「われわれは宇宙人だ」。英訳すると「We are aliens」。あらゆる表記で調べたところ、思いの外さまざまなジャンルで使用されていました。
記憶に新しいところではテレビCM。2011年6月、ソフトバンクの白戸家のお父さん犬が扇風機に向かって「われわれは宇宙人だ」。NHK「みんなのうた」では2014年6月から2カ月、「われわれは宇宙人だ!」(歌・らいふ)が放送され、歌声のかわいらしさが話題に。
ベネッセコーポレーションの子ども向け教材「こどもちゃれんじ チャレンジ1ねんせい」の中にもありました。数年前の無料DVDに収録された応援ソング「ワレワレハ1年生ダ」。宇宙人風の声「ワレワレハーイチネンセイダー」で始まり、ランドセル姿の新入生たちがキレッキレのダンスを披露します。
■黒澤作品常連の名俳優が考案?
さらに調べると、1957年公開の東宝特撮映画「地球防衛軍」が元ネタではという説にたどり着きました。
同作品で宇宙人・ミステリアン統領役を演じたのはベテラン俳優の土屋嘉男さん。黒澤明監督の「七人の侍」など、黒澤作品には欠かせない名役者です。
「我々は宇宙人だ」というセリフはないものの、抑揚がない宇宙人の喋り方は土屋さんご本人のアイデアだったそう。これがのちの宇宙人のモノマネ=「われわれは宇宙人だ」につながったのではないかといわれています。
残念ながら土屋さんは2017年2月8日、肺がんで亡くなられたため、ご本人に確認することはできませんでした。
■「天気の子」で注目、編集部の見解は?
宇宙人のことは宇宙人のプロに。UFOやオカルトと聞いて思い浮かぶのは1979年創刊の月刊ミステリー雑誌「ムー」(出版社ワン・パブリッシング)です。同誌は2019年、新海誠監督の大ヒット映画「天気の子」に重要な役割で登場。また、ファッションセンターしまむらとコラボでアパレルグッズを売り出すなど、ジャンルを超えて注目されています。
「われわれは宇宙人だ」誕生の秘密を知っているか尋ねたところ、さすが「ムー」編集部。同誌とウェブ版で「昭和こどもオカルト回顧録」を連載中のライター、初見健一さんが詳しく教えてくれました。
ーー「われわれはー」は映画『地球防衛軍』がきっかけで生まれた言葉なのでしょうか。
初見健一さん:「おっしゃる通り『われわれは…』の元祖は東宝特撮映画『地球防衛軍』だと思います。ウルトラマンシリーズでも似たシーンが出てきたはずですが、『地球防衛軍』の方が先でした。僕が生まれる前の映画なので僕自身はリバイバル上映で見ましたが、ミステリアンという宇宙人が『わーれーわーれーはー』という喋り方でメッセージを送ってくるシーンがあります」
初見健一さん:「僕の子ども時代にすでにギャグになっていて、扇風機に向かってこのセリフを言ったり、あるいは言いながら喉を手でトントン叩くという遊びが流行っていました。こうすると声にビブラートがかかって宇宙人声になるんです(笑)。CMでパロディーになっていたことがあったと思いますし、『笑点』で林家木久扇が昔からまねしてるので、ギャグとしてずーっと引き継がれていますね」
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