• No.1 本多正信

    20/11/11 18:53:49

    つづき→

    もともと、防衛大ではコロナ対策が適切だったのかが問題化していた。4月から5月にかけての緊急事態宣言下では、全国のほとんどの大学がオンライン授業を行ない、いまも多くの大学で対面授業の再開は限定的な状況だ。しかし、防衛大ではシステム上の理由からオンライン授業を行なうことができず、授業も訓練もないなかで、学生たちが敷地内の寮に“軟禁状態”とされてきた経緯がある。密を避けがたいストレス過多の寮生活が続いたことで、学生たちの脱柵(脱走)や自殺未遂、年度途中での退校者が相次ぎ、賭博行為なども発覚した。防衛大関係者が語る。

    「防衛大の内部にも、コロナ対応がおかしいと進言する人はいました。衛生課に所属するA医官は、新型コロナの流行初期に感染拡大を懸念し、学生たちを学内の寮に留め置くのではなく、親元に帰すよう進言していました。しかし、幹部に聞き入れられることはなかった。その後の学内での混乱や今回のクラスター発生を考えれば、進言は非常に適切なものだったわけですが、國分良成学校長ら執行部の方針に反する意見を口にしたA医官には、8月1日付で自衛隊中央病院への異動が言い渡されたのです」

     A医官は学内職員向けに「産業衛生ニュース」と題したニュースレターを発信しており、異動の直前にあたる7月21日付のニュースレターでは、〈新型コロナや余りにレベルの低い衛生課の現状を改善しようと2年頑張るつもりでいましたが、学校人事権者の意向でこのような結果となりました〉などと不本意な異動を命じられた経緯を明かしている。

    「A医官は、医務室などでの感染症に対する隔離措置が適切になされていないという問題意識も持っていて、その改善に取り組もうとしていたが、異動で果たせなかった。ニュースレターではそのことについても、〈(改善策を)マニュアルの形で提供する予定でしたが、今月中に完成できませんでしたので、計画中止といたします〉と無念を滲ませていた。今回、陽性と判明した学生らは、まさにその医務室のある棟に隔離されている。残念でならない」(同前)

     異論を口にした人間が異動を命じられる一方、宴会や会合への参加を厳に慎むよう求める防衛大臣通達に反するかたちで、國分学校長を含む複数の防衛大幹部が10月に飲酒を伴う数人の会合に参加していたことが発覚。現場の教官からも疑問の声があがっている。

     政治外交史、軍事史の専門家として高い評価を得ている等松春夫・防衛大学校教授(人文社会科学群国際関係学科)が、一連のコロナ禍対応をめぐる不祥事を告発する「申立書」を岸信夫・防衛相および防衛監察本部に対して送付していたことを11月10日付で本誌(NEWSポストセブン)がスクープしている。

    「大臣に対して実名で“告発文”を送ったのだから、等松教授も相当な覚悟を持って行動に出ている。コロナ対応の誤りによって学生の自殺未遂や脱走、退校者の急増などを招いた防衛大執行部の総退陣を求める内容だといいます。防衛大のお粗末なコロナ対応を裏付けるようなかたちでクラスターが発生したこともあり、本省が等松教授の告発にどう対応するのか、関係者の注目は一層、集まっています」(前出・防衛大関係者)

     新型コロナ感染拡大の裏で深刻化していた防衛大の問題に、どのような決着がみられるのか。

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