• No.2 古田織部

    20/09/21 13:57:25

    「すき家」「ココス」などを展開する外食チェーン大手・ゼンショーホールディングスの代表取締役会長兼社長の小川賢太郎氏は「豊田さんの気持ちは理解できる」と語る。

    「民主主義国家である以上、それぞれのメディアが変な忖度をせず、自由に報道すべきなのは大前提です。しかし企業側の感覚からすると、メディアの取材を受けても、『こちらの真意がきちんと伝わった』と思えることはめったにありません。

    たとえば、テレビであれば10分の取材を受けても、都合のいい10秒だけが切り取られて放送されることもある。『それは、あまりにもアンフェアだよ』という気持ちは、僕が知っている多くの経営者が持っています。

    豊田さんは、日本を代表する企業のトップとして常に矢面に立ってきたから、なおのことでしょう。

    企業の責務として山ほど社会貢献をしてもほとんど報じてもらえない一方、ほんの少しでもヘマをすれば、『それ見たことか』と鬼の首をとったように書きたてられる。経営する側も人間ですから、苛立たないほうがおかしいのです」

    別の一部上場メーカーの広報担当役員も、大手マスコミの取材手法に対する不満を打ち明ける。

    「新聞やテレビの記者さんたちと話していて思うのは、とにかく勉強不足だということ。彼らは頻繁に『担当替え』があるので、業界や企業のことをあまり勉強しないまま取材に来る。

    別に、難しいことを要求するつもりはありませんが、ホームページで逐一公開しているIR情報とか、有価証券報告書に記載している基本的な経営事項すら頭に入っていない状態はさすがに困ります。

    『そんなことも知らないで、ウチの経営を評価する記事を書くんですか?』と思ってしまいます」

    くわえて、前出の小川氏は、メディアの報道姿勢が「結論ありき」になっていることにも疑問を感じているという。

    「現場の若い記者さんと話していると、『私の考えとは違うのですが、デスクや次長が話の方向性をあらかじめ決めつけていて、異論を受け入れてくれないんです』と言われることが多々あります。

    我々の商売もそうですが、本質は現場の人間が一番わかっているものです。しかし、それを重視せず、会社にいる上司が記事の方向性を決めるというのは時代遅れです」

    こうした思いを、豊田氏もずっと感じ続けてきたのだろう。'19年には、豊田氏は自ら肝いりでオウンド(自社)メディア「トヨタイムズ」の運用を開始する。

    ■マスコミを見捨てた

    一時期、「編集長」を拝命した香川照之が、テレビ電話で豊田氏に取材するCMがやたらと流れていたので、このサイトの名前を知っている人も多いだろう。

    ページを開いてみると、アナウンサー・小谷真生子の司会のもと、豊田氏とスズキの鈴木修会長が語らう対談動画から、先述の株主総会の一部始終を書き起こした記事まで、コンテンツがずらりと並んでいる。

    デザインも機能も、大手メディアのニュースサイト顔負けの作りで、トヨタの「本気」が伝わってくる。

    トヨタイムズが本格始動して以来、豊田氏は大手メディアのインタビューをほとんど受けなくなった。

    決算後の会見も、現行の年4回から、年2回(中間、本決算)に減らすという。代わりに、トヨタイムズの記事や動画には頻繁に登場し、経営の理念や考えを事細かに語っている。

    消費者に対し、自前でメッセージを発することのできる環境が整ったのだから、もはや大手マスコミを介する必要はないということだろう。

    続く

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