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- 立花宗茂
- 20/07/29 14:23:01
ド派手なリーダーの”裏”の顔─トランプは「大統領としての給料」を全額寄付していた!
2020.7.26
◆ホワイトハウスのあの人たちはいくらで働いている?
コロナ禍にあって生活困窮者が少なくないアメリカ。
失業手当の申請数を見ても、ピークだった3月末の680万人には及ばないが、7月18日には141万人以上が新規に申請を行っている。
そんななか、米大統領府は6月26日にホワイトハウスで勤務する職員の給料を公開した。大統領府は毎年、誰がいくら稼いでいるのか報告するよう法律で定められている。これまでのトランプ政権の職員の給料はまとめて見ることも可能だ。
トランプ大統領は実は、2017年に就任してから職員の数を絞ると発表している。米ニュースサイト「ポリティコ」は当時、こう報じていた。
「大統領としての最初の仕事のひとつとして、トランプは連邦職員の雇用を一時停止すると発表した」
政府には人が無駄に多いとトランプは批判したのだ。現状を見ても、トランプはバラク・オバマ前大統領より職員を「節約」していることが判明している。
米ニュースサイト「ワシントン・イグザミナー」は、トランプ政権になってからの変化をこう書く。
「オバマ時代よりも、ホワイトハウス職員の給料などの総額が2350万ドルも少なく済んでいる」
「トランプ政権の職員の数は413人で、オバマ時代よりも55人少ない」
「ファーストレディの専門スタッフも少ない。ミシェル・オバマには24人ついていた一方、メラニア・トランプについているのは11人だ」
トランプは大統領職で年間40万ドル(約4260万円)の給料を得ているが、「大統領に就任してから、給料を四半期ごとに連邦政府の機関へ直接寄付している」と米TV「CNBC」は報じている。つまり、4ヵ月ごとにどこかの連邦機関へ10万ドル寄付しているのだ。「2019年度の第4四半期の給料10万ドルは、新型コロナ対策を行う米保健社会福祉省に寄付した」という。
ちなみに同記事によれば、「トランプは近代の大統領のなかで最も裕福な人物」であり、大統領としての給料は生活に必要ない。
では、ホワイトハウスのスタッフらはどれほどの給料をもらっているのか。
ホワイトハウスの新顔と言えるケイリー・マクナニー報道官は、以前から米TV「CNN」でもトランプシンパとしてよく見る顔だった。そんな彼女は今年4月から報道官になり、年間18万3000ドル(約1950万円)の給料を受け取ることで合意している。また、マクナニーの夫の従兄弟もホワイトハウスの広報部職員だ。彼は年収5万8200ドル(約620万円)で働いている。
2016年の大統領選からトランプのアドバイザーとして、対中強硬政策を先導してきたピーター・ナバロ米大統領補佐官(通商担当)の給料は、年間18万3000ドルだ。
同じく対中強硬派で国家安全保障問題担当のマット・ポッティンガー副顧問も、年間18万3000ドル。トランプのスピーチライターであるスティーブン・ミラー上級顧問も同じく、年間18万3000ドルだ。
おもしろいのが、側近であり家族の2人だ。トランプの娘であるイヴァンカ・トランプ大統領補佐官と、その夫であるジャレッド・クシュナー大統領上級顧問は、ともに給料なし。無給で働いている。
悪いことばかり報じられるため、こうした話はあまり知られていない。だが、この報道からトランプの意外な顔を見たような気がするのは筆者だけではないだろう。
Text by 山田敏弘
クーリエ・ジャポン
https://courrier.jp/news/archives/206729/
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