• No.1 永和

    20/07/10 10:49:30

    ■公共事業の「ムダ」とはなんなのか

     こうした意見に 、青森県内の小規模土木・建設業者社長は次のように嘆息する。

    「なぜ公共事業はお金がかさむのかに関する議論が、国ではまったくなされてきませんでした。治水事業にしても、原発関連事業にしても、大規模な予算が計上されても、4次下請け、5次下請けのわれわれのところに発注がくるまでに大半が中抜きされてしまいます。

     ただでさえ公共事業は大手ゼネコンが受注する際に、入札で勝つために最大限圧縮した予算を提示します。それでも大手はしっかり自社の利益を確保します。そして、圧縮した分は我々に押し付けます。実際に人を出して、汗をかいているのは我々なのに、東京や大阪の空調の効いた社屋で書類を右から左に回すだけでお金が消えていくのです。安い給料の重労働がバカバカしくて、若い人はどんどん東京に仕事を求めて出ていきます。

     公共事業削減の動きは、小泉純一郎政権のころから始まりました。そういう意味では、自民党政権も民主党政権もマスコミも変わらず、みんな脱ハコモノを煽っていました。『余計なハコモノを作るな』というのはその通りなのかもしれませんが、今回の熊本豪雨のような災害が起きるたびに、あたかも国や自治体が計画しさえすれば、すぐ何かが建設されるかのような議論が出ることに腹が立ちます。その間も我々は食っていかねばならないのですから。

     公共事業が圧縮されて20年。地域の若年人口は激減し、会社の作業員はもう大半が60代前半です。体を痛める社員も多いです。それに毎冬の除雪作業などは日の出前から始まる過酷な作業です。毎年、『社長、もう体力的に厳しい。辞めたい』という社員たちに、『俺らがやらないと町全体が雪で孤立する。そこをなんとか、がんばってもらえないか』と頼んでいます。財務も厳しく、私自身の報酬はもちろん食費を極限まで削り社員に給料を出していますが、正直、もう長くは続かないと思います」

     近年、災害が拡大する背景には、都市と地方、大手と下請けといった産業構造のいびつさに端を発する国力の低下もあるのかもしれない。

    (文=編集部)

    Business Journal
    https://biz-journal.jp/2020/07/post_167185.html

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