- なんでも
- 天暦
- 20/05/23 14:01:20
昔からあることなのですが、男と女の恋愛において障害が多ければ多いほど、かえって二人が意固地になって一緒になろうとしますよね。しかし不思議と反対されればされる程、離れようとしません。ではなぜそのようなことが起きてしまうのでしょうか?
感情に関する心理学理論の一つに「情動の二要因理論」というものがあります。アメリカの心理学者シャクターが提唱したもので、人間の喜び、怒り、悲しみなどの感情は、生理学的な興奮と、それを説明できる状況の二つの要因によって決定されるというものです。
どういうことか?例を挙げると、例えば急に犬に吠えられてビックリして心臓がドキドキした状況で、「すいません、うちの犬が」と飼い主が現れます。その飼主が自分の超タイプの外見の異性であった場合。
本当は犬に吠えられてドキドキしているにも関わらず、頭の中では好みの異性を見たことで胸がドキドキしていると誤って認識してしまいます。
これを心理学で「錯誤帰属」と言います。障害がある恋が燃え上がってしまうのは多くの場合この錯誤帰属が原因です。さらに障害が多い程、恋愛感情が燃え上がってしまうことをシェイクスピアの代表的な戯曲からとって「ロミオとジュリエット効果」と言います。
しかし、このロミオとジュリエット効果によって燃え上がった激しい恋心。当の二人は「この障害さえなければ、私達は幸せになれるのに」と思い、障害を取り除くことに一生懸命努力します。しかし悲しい事に、その障害が本当に無くなってしまうと多くの場合二人は破局に陥ります。
これは錯誤帰属のメカニズムで説明がつきます。二人の強い恋心は、実は恋愛感情ではなく、障害によって発生しているストレスを、愛情によって発生している強い感情と誤認している状態です。当然その強い感情の発生要因が取り除かれてしまえば、一気に恋愛感情もトーンダウンしてしまうのです。
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