新型コロナ休園【幼稚園で割れる対応】名古屋市「3月2日から」　愛知県「小中高のみ」

2/28(金) 20:32

「お別れの会」を終え、在園児や職員に見送られてゲートをくぐる年長児と保護者ら
名古屋市西区那古野2・市立第三幼稚園 2020年2月28日 14:23

政府の臨時休校要請を巡り、幼稚園の休園で名古屋市と愛知県の対応が割れている。3月2日から休園させる市教育委員会は「感染防止の観点から独自で判断した」と説明。一方、休園させない県教委は「要請は小中高のみ」としている。

県教委によると、文部科学省から28日朝に届いた文書では、幼稚園について「要請対象とはしていない」とあった。このため各市町村には学校の休校のみ通知したという。市は保育所や学童保育については、感染者が出たら2週間休業とする政府方針に従う。

市立幼稚園に双子の姉妹を通わせる女性（40）は「感染の状況を見れば休園は仕方ないと思うが、あまりに急過ぎる。せめて1週間の猶予があれば準備できたのに」と困惑。「（勤務先の）飲食店が子連れ出勤でもいいと言ってくれるので何とか対応できそうだが、困る家庭も多いと思う」と話した。

同市西区の市立第三幼稚園では28日、3月13日の予定だった年長組のお別れ会を前倒しして行った。修了式は同16日、年長組だけ登園させて開く。保護者からは「もう少し友達や先生と一緒に過ごしたかった」との声が漏れた。

この日、感染予防のため窓を開け放った遊戯室では保護者の音楽演奏が披露され、園庭で年少、年中組が列を作り、手を振って年長組の子どもたちを見送った。平松章予園長は「修了式の練習をしながら卒園への気持ちを整えていく時期なのに（2日以降）本番まで子どもの顔を見られないのは残念」。年長の娘を持つ40代母親は「日常生活が突然失われた思い。今朝は最後となるお弁当を、心の準備がないまま作った」と話した。