【坂本史衣(さかもと・ふみえ)】聖路加国際病院QIセンター感染管理室マネジャー
聖路加看護大(現・聖路加国際大)卒、米コロンビア大公衆衛生大学院修了。Certification Board of Infection Control and Epidemiologyによる認定資格(CIC)取得。日本環境感染学会理事、厚生労働省 厚生科学審議会専門委員などを歴任。著書に『感染対策40の鉄則』(医学書院)、『基礎から学ぶ医療関連感染対策』(南江堂)など。https://researchmap.jp/fumienum
No.6 主 永徳
20/02/27 15:03:42
■では私たちはどのように行動したらいいのか?
ーー検査を受けられないと不安を抱いている人は、ただの風邪なのか新型コロナウイルスなのか自分で見分けられず、悪化する心配があるからでしょうね。自宅で様子をみることに危険はないですか?
ただの風邪なのか、COVID-19なのかは病院で診察を受けても見分けることが困難です。検査をしても確実に診断ができるとは限らず、仮に感染していたとしても治療の方法はありません。
心配かもしれませんが、知っておいていただきたいのは、感染者の80%は軽症で、1週間ほど風邪のような症状が続いて治ってしまうということです。また、お子さんはなぜか感染者も重症者も非常に少ないですし、妊婦さんも今のところ重症化しやすいという報告は出ていません。
重症化する危険があるハイリスクな人は、だいたい50歳より上の方や持病のある方ですが、COVID-19の進行は比較的緩やかですので、風邪症状が出たら慌てずに休養し、症状を注意深く見守ってください。
ーー一般の人はどのような症状がどれぐらい続いた時に、受診や検査を考えたらよろしいですか?
厚労省が受診の目安を公表しています。
[画像]厚生労働省 厚労省が公表している相談・受診の目安
大切なのは体調が悪いな、と思ったらまずは無理せずに休むこと。そして、37.5℃以上の発熱が4日(高齢者や持病のある方は2日)以上続く場合や、息苦しさが出てきたら、まずは帰国者・接触者相談センターに相談してください。それが医療機関をパンクさせないためにも重要です。
ハイリスクの方と同居されている方に風邪症状が見られたら、こまめな手洗いと咳エチケットを行います。
また、ハイリスクの方とはなるべく(目安としては手が届かないくらいの距離まで)離れて過ごします。家は時々窓を開けるなどして換気を行い、ドアノブなどの手でよく触るところを家庭用洗浄剤やアルコールなどで時々拭くと良いでしょう。
ーー全国的な流行はもう阻止できないところまで来ているのでしょうか。
現在国内では一部の地域で感染者の集積(クラスター)が発生している状況で、全国に感染者が広がっているわけではありません。政府は、全国的な流行の拡大を食い止めるには、この1~2週間が踏ん張り時だと言っています。
私たちにできることとして、家に帰ったらすぐに手を洗うこと、咳エチケットをすること、なるべく人込みに行かないこと、具合が悪かったら休むことなどがあります。このようなちょっとした行動の変化がヒトからヒトへの伝播を防ぐことにつながります。まだ希望を捨てる段階ではありません。
https://this.kiji.is/605241957197562977?c=392907644552086625
【坂本史衣(さかもと・ふみえ)】聖路加国際病院QIセンター感染管理室マネジャー
聖路加看護大(現・聖路加国際大)卒、米コロンビア大公衆衛生大学院修了。Certification Board of Infection Control and Epidemiologyによる認定資格(CIC)取得。日本環境感染学会理事、厚生労働省 厚生科学審議会専門委員などを歴任。著書に『感染対策40の鉄則』(医学書院)、『基礎から学ぶ医療関連感染対策』(南江堂)など。https://researchmap.jp/fumienum
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