システム障害の練馬区、通知表の学期末配布できず…年明けに延期

匿名

寛治

19/12/19 07:15:07

 東京都中野区などで今月4日に発生したシステム障害について、クラウドサービスを提供する「日本電子計算」(千代田区)の山田英司社長が16日、都内で記者会見し、複数の不具合の解消に時間がかかっているとして、「完全復旧の見通しは立っていない」と述べた。障害は都内10市区町村で起こっていたことも判明。バックアップが見当たらず復元できていないデータもあるという。

 一連のシステム障害は、全国の1県47市区町村など計53団体で発生。住民票や戸籍証明書といった行政書類の発行システム、自治体ホームページ(HP)閲覧などに用いるシステムのほか、メールの送受信で利用するデータサーバーなどに障害が起きた。同社によると、都内では中野区や練馬区など10市区町村で発生したという。会見で、山田社長は「自治体や住民に大変な迷惑をおかけしている」と陳謝した。

 同社の説明によると、自治体向けクラウドサービス「Jip‐Base」で、データを保管する外部記憶装置(ストレージ)を動かすプログラムに不具合が起きたのは4日昼。同社幹部は「ストレージの保守業務を担う別の会社から修正プログラムの提供がなかったために不具合を防げなかった」と述べた。

 同社は6日の時点で「9日頃に復旧の見通し」と発表していたが、作業を進める中で複数の不具合が連続して発生し、16日時点で「作業量が膨大で追いついていない」(出席した幹部)状態で、復旧のめどは立っていない。また、クラウドで管理していたデータについて、バックアップが見つからず復元できていないものもあり、一部は復元不可能の恐れもあるという。

 中野区では16日現在、住民票や戸籍証明書の発行業務の障害は解消されたが、要介護認定の進行確認や結果通知ができないなど、一部のシステムが稼働できない状態が続いている。要介護者と要支援者は区内に計約1万4000人おり、同区では「手続きを待たせてしまっている。システム障害がさらに長引く恐れも考え、代替手段の検討を始める」としている。

 練馬区でも約3分の1のシステムがダウン。区立全98小中学校が利用するネットワークにまだ障害が残っており、16日現在、全校のHPが閲覧できない。授業風景や外部講師による講演会、給食の内容などを日々アップしていた中学校の教員は、「外部への情報発信ができず残念。早い復旧をお願いしたい」と漏らした。

 同区教委によると、通知表を作成するシステムに障害が出た影響で、全小中学校で通知表の配布が年明けに延期される。区教委の谷口雄麿・教育指導課長は、「学期末に渡せず、児童や生徒、保護者に申し訳ない」と話した。

 あきる野市でも4日午前からネットへの接続や、メール受信などができなくなった。数日後にネット利用やメール確認は可能になり、16日に「一部受信ができないシステム障害も解消した」と発表。ただ、支障が出ていた間のメール受信への影響などは、今のところ不明だという。

コメント

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  • No.3 元応

    19/12/19 10:14:07

    クラウドサービスを利用していたとはね。時代を先取りしすぎたか。。

  • No.2 永保

    19/12/19 07:46:46

    分散してなかったんだね…

  • No.1 正慶

    19/12/19 07:17:12

    年始になるのは困るって言ってた人いたね。

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