若手俳優の「薄目」しすぎ問題

　救命における生死を分かつタイムリミットは、4分間。救急救命士・花巻みこと（福士蒼汰）は、手を重ねた人の「最期の瞬間」が視（み）える特殊能力を持つ。

　ゆえに彼は気づいてしまった。愛する義姉（親同士が再婚）の沙羅（菜々緒）が、28歳の誕生日に亡くなるということを。

　余命1年の義姉との禁断の恋、生と死に向き合うせつない愛の物語って言われてもな。今のところ「せつなさ」がまったく行方不明な本作なのだ。

菜々緒に恋する福士。数分おきにチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ！」とツッコんでほしいくらい、ボーっとしている。

　最近気になる若手俳優の「薄目」問題だ。薄目ってのは、まぶしい～みたいに両目を細くする状態ね。これ「せつないなぁ」とか、「じーん」とか「好きだ、大好きだ」みたいな場面で、薄目になるヤツ。一人残らず「ボーっと生きてる」ように見えるからやめて。

　血のつながらない姉弟である2人が、お互いの気持ちに気づく場面。土砂降りの雨の中、沙羅は叫ぶ。

「あたし、みことのことが好きーっ！」。雨ザーッ。

「姉さん」（薄目）

「俺もだよ」（薄目）

　そして独白。「姉さんの命を救いたい（薄目）。その夢を叶（かな）えてあげたい（薄目）」

　車のワイパーがガッコガッコ動く単調なリズムそのままに、薄目でセリフを置きにくる福士。なんだこれ、催眠術か。せつなさどころか眠たさで、こっちが薄目になるわ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191106-00000013-sasahi-ent