- なんでも
- 正中
- 19/10/23 14:28:48
保育園の利用料負担が軽減されるはずなのに、逆に負担が増えてしまった――。10月から始まった幼児教育・保育の無償化で、一部の保護者がそんな「逆転現象」を訴えています。調べてみると原因は、急ごしらえの国の制度と、自治体がこれまで自主的に進めてきた制度とのミスマッチでした。
「無償になるどころか、我が家は年間12万円の負担増です」
大阪府堺市で中学1年生から2歳までの4人の子どもを育てる女性(35)は、不満を隠さない。認可保育園に通う5歳と2歳の下の2人の子どもの利用料は今年度いっぱいまで無料だが、来年4月からは給食のおかず代として、1人あたり月約5千円ずつを支払うことになった。
なぜか。堺市ではこれまで、子どもの人数が多い世帯への負担軽減策として、上のきょうだいの年齢や保護者の年収に関係なく、認可保育園などに通う第3子以降の子どもと、第2子以降の4、5歳児の利用料を無料にしていた。この際、おかず代も利用料の中に含み、保護者の負担はなかった。
ところが、今回の国の無償化策を始める議論の中で、無料にするのは利用料のみとし、おかず代は別に保護者が園に直接支払うと整理し直された。おかず代は「家で子育てをする場合も生じる費用だ」などの理由からだ。
もちろん、国も無策ではない。これまでもあった生活保護世帯や、保育園を利用する住民税非課税(年収260万円未満)のひとり親世帯、一部の多子世帯に対し、おかず代の免除制度を持っていたが、無償化後は、対象を年収360万円未満の世帯まで拡大した。しかし、それ以上の収入のある多子世帯向けの免除制度には、上のきょうだいの年齢に制限があり、女性は対象から外れてしまった。
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