「女が普通にバ○ブを買える韓国」 羨ましすぎる!【朝日新聞出版】

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  • 19/10/05 06:56:44

北原みのり「女が普通にバイブを買える韓国」

※週刊朝日 2019年10月4日号

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。今回は韓国のセックスグッズ産業について。

*  *  *
 先日、韓国でアダルトグッズショップ巡りをした。韓国は長年、アダルトグッズの輸入・生産を厳しく制限していたため、「大人のオモチャ店」は公には存在していなかった。それが2年前に法律が変わり、次々にショップがオープンしている。それもアップルストアの並びにオープンするなど、一等地に堂々と、だ。雰囲気も日本のそれとはまるで違う。日本の場合、男性が一人で楽しむ商品、それも二次元アニメのロリコングッズが売れ筋なのに対し、韓国は基本的にカップルで楽しむためのバイブレーターが中心で、女性の経営者もいれば、レズビアンフレンドリーな路面店もある。

 嬉しかったのは、女性が経営しているPleasure Labというお店で、レジにいた女性に「私はラブピースクラブという店をやっています」と話しかけたら、その場で経営者に電話してくれたこと。経営者の女性が電話口で「ラブピースクラブは憧れです。私はあなたのお店からたくさん学びましたよ」と言ってくれたのだ。

 とはいえ、社会や政治が違えば、ここまで差がつくのかと愕然(がくぜん)とする。Pleasure Labは人気のカフェが集まる街の一角にあり、50平米ほどのゆったりとしたスペースに、色とりどりのバイブが、美しい雑貨のように展示されている。「セクハラはすぐに警察に通報する」という注意書きがドアに貼られているのを見れば、男性の嫌がらせがないわけではないことも伝わるが、それでも陽が明るく射し込む店内で、様々な世代の女性たちが安心して買い物できる場であることは確かだ。オシャレな街の真ん中で! コスメを買った帰りに、女が普通にバイブを買える! 羨(うらや)ましすぎる!

「今は私が韓国社会や、あなたの店から学ぶ番ですね」と私は伝え、彼女と連絡先を交換した。

 韓国のセックスグッズ産業が日本とは全く違う方向に急成長している中で、今、リアルドールに関する裁判結果が話題を呼んでいる。リアルドールとは、日本ではラブドールと呼ばれているもので、リアルな質感と重量感を持つ女性の人形だ。1体100万円以上の高級なものもあり、男性の射精産業の一角を担っている。このリアルドールを、韓国の業者が輸入したところ、公序良俗を乱すという理由で、税関で止められた。業者は結論を不服として裁判を起こし、結果的に最高裁で業者の言い分が通ったのだった。

 しかし、本当の「闘い」はそこから始まったのだった。この裁判結果に女性たちが抗議の声をあげたのだ。曰(いわ)く、リアルドールは女性のモノ化を促進し、性差別意識を深め、女性の尊厳を傷つけるものである、と。近々リアルドールに抗議する大きなデモが行われる。

 女性がモノ化され、幼児への欲望がフツーに商品化されるような日本社会にいると、韓国社会の性産業はまるで別世界に見える。リアルドールを社会は許容すべきか否か。女性が安心して主体的に楽しめるセックスグッズが街中の路面店に次々に生まれる韓国社会が見せる高度な性の議論に、私たちが学ぶものは大きい。

https://dot.asahi.com/wa/2019092600017.html?page=1

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