【茨城】住宅に男女２人の遺体、娘らも怪我　直前に「助けて」と通報 へのコメント（No.1012）

境一家殺傷　別建物に侵入形跡なし　発生1カ月　犯人像絞り込めず

境町若林の住宅で9月、会社員、小林光則さん=当時(48)=と妻でパート従業員、美和さん(50)が殺害され、子ども2人が重軽傷を負った一家殺傷事件で、敷地内にある住宅以外の建物に第三者が立ち入った形跡がないことが22日、捜査関係者への取材で分かった。一家を襲った人物が別の建物内に潜んでいた可能性は低いという。23日で事件発生から1カ月が経過。強い殺意が鮮明になる一方で、犯人像はいまだ絞り込めていない。

捜査関係者によると、敷地内には住宅以外に複数の建物が存在するが、いずれも第三者が立ち入った形跡は見つかっていない。事件当時は雨が降っていたが、一家を襲った人物が敷地内の別の建物に潜み、住宅の様子をうかがっていた可能性は低いという。事件現場となった住宅は、周辺の地面が雨でぬかるんでいたにもかかわらず室内に土足痕が確認されず、襲った人物は靴を脱いで侵入した可能性がある。

9月23日午前0時38分ごろ、美和さんから「助けて」と110番通報。約10分後、到着した警察官や消防署員が2階寝室で血を流し倒れた夫婦を発見した。光則さんは胸、美和さんは首を刺され失血死。いずれも上半身正面に鋭利な刃物による刺し傷が複数あり、抵抗した際にできる傷も見つかった。同階子ども部屋にいた長男(13)は腕や両足を切られ重傷、次女(11)はスプレーのようなものをかけられ両手に軽傷。1階自室にいた長女(21)は無事だった。

刃物やスプレーは事前に用意されたものとみられる。2階から侵入した形跡、1階に荒らされた跡はそれぞれなく、何者かが1階の無施錠の窓から侵入して2階へ直行し、夫婦、子どもたちの順に襲った可能性が高い。子どもは「サイレンの音が聞こえて(犯人が)いなくなった」「知らない男のようだった」という趣旨の話もしている。

これらの状況や寝静まった深夜帯の犯行であることなどから、県警の捜査本部は、強い殺意を持った人物の計画的な犯行で、実行犯は単独との見方を強め、交友関係やトラブルの有無を調べている。

また、現場近くで事件前にマスク姿などの不審者の目撃情報があり、関連を確認中。夫婦の携帯電話の解析を進めたが、トラブルに関連する通信履歴は見つかっておらず、物色の形跡や凶器も発見されていない。

22日までの30日間で捜査本部は延べ1500人以上の捜査員を投入。住民からの聞き取り、防犯カメラ映像の収集や解析を進めている。事件に関して170件以上の情報が寄せられた。事件に関する県警への情報提供は、フリーダイヤル(0120)007285。

茨城新聞社
10/23(水) 7:00配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191023-00000006-ibaraki-l08