前回はボイコットの北朝鮮、東京五輪参加か。

北朝鮮は２０２０年東京五輪・パラリンピックに選手団を派遣する意向だ。１９６４年の前回大会では１４０人余りの選手団を東京に送り込んだものの、一部選手の参加が禁じられた措置に反発、開会式２日前にボイコットを表明した。今回は安倍政権が目指す拉致問題の解決が進まない中で、東京五輪参加が実現するか注目だ。
　前回大会では、インドネシアが６３年に国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）が認めない新興国競技大会（ＧＡＮＥＦＯ）を開催したことが大きな問題となった。国際水泳連盟や国際陸上連盟はこの大会に参加した選手の五輪参加禁止を決議。この中に金メダル候補とされた北朝鮮の陸上女子選手も含まれていた。
　北朝鮮選手団が東京に到着した後も日本側はぎりぎりまで参加を認めるよう競技団体側と交渉を続けた。しかし、禁止措置は解けず、北朝鮮は選手全員の引き揚げを決定した。本国に向けて新潟港からソ連（当時）の船舶で出港したのは開会式当日だった。女性選手は「残念だが、日朝親善を深める成果を得た」と語ったという。
　安倍晋三首相は無条件で金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談を目指している。日本政府には、東京五輪が日朝対話を実現させるチャンスの一つになるとの見方もあり、政府高官は東京五輪に合わせ、金委員長が来日すれば「一番いい」と期待感を示した。