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蜂窩織炎の治療
抗生剤(抗菌薬)による治療が一般的
蜂窩織炎の一般的な治療は抗菌薬による薬物療法です。
では、抗菌薬とはいったいどのような薬であり、何に対して効くのでしょうか。
一般的に病原体は、細菌とウイルスの2種類に分けられます。
細菌とは、肺炎球菌、ブドウ球菌、溶連菌など、その多くは語尾に「菌」とつきます。一方ウイルスは、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、RSウイルスなど、「ウイルス」という名称がついています。(一部には例外の病原菌もあります)
抗菌薬は細菌に対して有効ですが、ウイルスに対しては効果がありません。例えば、世の中で一般的にいわれる「かぜ」はウイルス感染症であり、抗菌薬を投与しても効果はなく、熱もすぐに下がりません。
一方、蜂窩織炎は前述したように細菌感染症の一種です。そのため、抗菌薬を用いた治療が有効となります。
蜂窩織炎の治療には入院が必要?
軽症の蜂窩織炎の場合、経口薬(のみぐすり)で対応が可能です。医師から特別な注意がなければ、日常生活を送りながら、悪化しないかどうか経過を観察してください。
ただし、入院治療のほうが望ましいケースがあります。下記のような場合は入院治療を検討します。
①発熱を伴う場合
②ぐったりしているなどの全身症状が強い場合
③症状の進行スピードが速い場合
④もともと他の疾患をもっており、感染が重症化するおそれがある場合
⑤経口薬で治療を開始したもののなかなか状態がよくならない場合
⑥入院しての安静が必要な場合
このように、入院を検討するケースは様々であるため、受診された医療機関でご相談ください。
入院の場合は、静脈注射で抗菌薬を投与します。経口薬は消化管から吸収されて最終的に血管内に到達し、全身に行き渡ることで薬の効果が発揮されますが、内服してから効果が出るまでに時間がかかってしまいます。さらに必要な量が吸収されず、治療が不十分になる可能性があります。これに対して注射薬は直接血管内に入るため、即効性があり、より強力な治療が可能となります。
蜂窩織炎の治療期間
多くの場合は5~14日程度
多くの場合、5日~14日程度の抗菌薬治療が行われます。ただ、患者さんによって治療期間は様々であり、一概に述べることはできません。治療を終了するタイミングは、最初の症状の程度、原因となった菌の種類、治療を開始してから回復する速さ、患者さんの免疫力などを踏まえて決定されます。
入院治療の場合、症状が改善して、経口薬での治療に変更可能となれば退院することができます。
また、見た目の症状がよくなっても、処方された薬の服用を自己判断で中止することは非常に危険です。症状が再発する可能性があるので、ご自身で治療を終了せず、医師から指示された治療期間を守り、薬の服用を継続してください。
蜂窩織炎は予防できる?
皮膚を清潔に保ち、皮膚疾患を治療しておくことが重要
蜂窩織炎を完全に予防することは難しいですが、感染する可能性を下げるために①皮膚バリアを保つこと、②細菌を寄せ付けないことの2点が大切になります。
皮膚バリアを保つために、皮膚の病気(アトピーや湿疹や水虫など)があればしっかり治療しましょう。そして、細菌を寄せ付けないための対策として、手洗いの徹底が重要です。さらに、虫刺されやけががある場合は、水道水で入念に患部を洗い、清潔に保つことが大切です。
蜂窩織炎は再発する?
1~2年以内に再発する可能性も
蜂窩織炎はあまり再発しませんが、1年以内の再発率は8~20%といわれ、一部の方は再発してしまいます。ですから、最初にしっかり治療をすることが重要になります。
蜂窩織炎は人にうつる? 接触感染の可能性は?
人にうつることはない
蜂窩織炎は人から人にうつることはありません。
そのため、蜂窩織炎の患者さんに接近しても感染せず、健康な皮膚と皮膚が触れてもうつりません。
蜂窩織炎や様々な感染症の予防法
手洗いやアルコール消毒を徹底する
皮膚は強いバリアの役割を果たしており、皮膚表面に細菌が付着しただけでは感染しません。ただ、自分では気がつかない小さな傷から、菌が体内に侵入して感染する場合があります。
菌が傷に付着する可能性を低くするため、手洗いやアルコール消毒などの予防策を徹底して行い、蜂窩織炎から身を守りましょう。
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19/06/26 19:24:45