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- 19/06/21 11:36:39
「ハーフの子を産みたい方に。」――。呉服店の「銀座いせよし」(東京都中央区)が約3年前に制作したポスターに、ツイッターなどで批判の声が上がっている。着物姿の若い女性が歩く姿に冒頭のキャッチコピーをつけたもので、専門家は「さまざまな立場の人をおとしめる広告だ」と指摘する。【待鳥航志、塩田彩/統合デジタル取材センター】
◇広告業界の新人賞を受賞
いせよしなどによると、このポスターは2015~16年、広告大手の博報堂に所属するコピーライターが制作。16年2月29日~3月6日に、東京メトロ東銀座駅構内に掲示された。着物を着た女性の写真と共に、他にも「ナンパしてくる人は減る。ナンパしてくる人の年収は上がる。」「着物を着ると、扉がすべて自動ドアになる。」などのキャッチコピーがあしらわれた5パターンのポスターがあった。
当時は目立った批判を呼ばず、広告業界関係者でつくる任意団体「東京コピーライターズクラブ(TCC)」が優れた広告制作者に贈る「TCC賞」で、この広告を制作したコピーライターが16年度の新人賞に選ばれていた。
◇「着物に関心を持たない方に目を向けていただきたい」
ところが今週になって、ツイッター上で3年前のTCC新人賞受賞を伝えるいせよしのブログ記事が拡散。「着物を着れば、外国人男性に見初められる」と読み取れるキャッチコピーに、「下品すぎる」「(日本人と外国人の両親を持つ)ダブルの人をバカにしてるし、女性をバカにしてるし、日本人をバカにしてる」「着物会社自身が着物文化を最大限に侮辱している」といった批判が殺到。また、TCCにも「なぜ賞を与えたのか」など疑問の声が上がっている。
いせよしはブログからこの記事を削除した。20日、毎日新聞の取材に書面で「これまで着物にあまり関心を持たなかった方にも目を向けていただきたい、というのが企画の意図」と説明し、ネット上での批判については「いただいたご意見を真摯(しんし)に受け止め、今後の広報活動の参考とさせていただきます」と回答。同様のコメントをホームページにも掲載した。
TCCによると、賞は毎年、全国に約900人いる会員の中から選ばれた選考委員約35人が投票で決定。いせよしの広告ポスターは5枚1組で応募されたという。担当者は「判断基準も選んだ理由も選考委員によって異なり、授賞の理由として明文化されたものはない」と話した。博報堂は「クライアント案件に関わることなので、取材にはお答えできない」とした。
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