• No.1 天承

    19/04/05 18:50:49

    ◆日本の共産党はどう反応したか

    新元号を真正面から批判したのは、中国ではなく、日本共産党だった。共産党は4月1日、志位和夫委員長名で次のようなコメントを出した(https://www.jcp.or.jp/web_policy/2019/04/post-802.html)。

    元号はもともとは中国に由来するもので、「君主が空間だけでなく時間まで支配する」という思想に基づくものである。それは日本国憲法の国民主権の原則になじまないものだと考えている。

    わが党は、国民が元号を慣習的に使用することに反対するものではない。同時に、西暦か元号か、いかなる紀年法を用いるかは、自由な国民自身の選択にゆだねられるべきであって、国による使用の強制には反対する。

    政府は、これまでも「一般国民にまで(元号の)使用を強制することにはならない」ことを「政府統一見解」として明らかにしている。この立場を厳格に守ることを、あらためて求める。

    こんなコメントを出すくらいだから、共産党は元号を使わないのかといえば、そうではない。しっかり使っている。党機関紙の「しんぶん赤旗」は2017年4月1日付から西暦に加えて元号を併記しているのだ。

    その理由を同党は「『西暦だけでは不便。平成に換算するのが煩わしい。元号も入れてほしい』など読者のみなさんから要望を受けた措置です。これらは折りに触れ、手紙やファクス、メールで編集局に寄せられていました」とホームページで説明している(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-05/2017040504_02_1.html)。

    今回の元号決定を受けた後も、併記を続けるという。「君主が時間まで支配する」とか「国民主権の原則になじまない」などと批判しておきながら、これでは首尾一貫しない。はっきり言えば「腰砕け」ではないか。

    口では立派なことを言いながら、実際の行動が伴っていない。元左翼の私から見ると、このあたりが「共産党の本質的な情けなさ」である(笑)。

    ◆国民に丸投げするのか?

    共産党は天皇制についても、同じように煮え切らない。党の綱領は「天皇制のない民主共和制をめざす」と言いながら「憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきもの」と記している(https://www.jcp.or.jp/jcp/22th-7chuso/key-word/b_1.html#Anchor-0501)。

    「国民の総意」などともっともらしいことを言っているが、そもそも「自分たちはこういう社会を目指す」と訴え、それが「国民の総意」になるように努力する。それが政党ではないか。

    それなのに、国民に解決を丸投げしてしまったら、主体性はどこにあるのか。

    一言で言えば、国民に対するゴマすりだ。

    「私たちは、みなさんに解決を任せますよ。私たちだけで勝手に決めませんよ」と甘言を弄して、人気取りしている。だが、彼らが権力を握ったら、どうなるか分からない。本当は反対なのに「読者の声」を理由に元号を併記するところに、ズルさが出ている。

    この調子だと、共産党は新天皇の即位についても「私たちは天皇制に反対だが、祝福する国民の声を尊重する」などと言うのではないか。

    この機会に、共産党の姿勢をしっかり見極めたいと思う。

    現代ビジネス
    https://www.google.com/amp/news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/16269063/

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