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- 19/03/03 13:19:20
「ひな人形のおさがりはNG」「一人一飾りずつ持つべきもの」と主張する漫画を、日本人形の製造・卸売業者など約300社が加盟する一般社団法人日本人形協会(東京都台東区)が発表し、話題になっています。ネット上では「なるほど」「知らなかった」という反応もありますが、「人形を売りたいだけでは?」「うさんくさい」「先祖代々受け継いだひな人形はどうなの」との批判や疑問が多いようです。
半世紀以上にわたって、玩具の収集、研究を続けてきた井上館長は「おさがりNG」説を否定しました。日本人形協会の見解は――。
日本人形協会の広報委員長、倉片順司さんに聞きました。
Q.「ひな人形のおさがりはNG」ということは、何かの文献にあるのですか。
倉片さん「文献にはありませんが、人形業界に研究者がいて、いろいろと調べて分かっています。
そもそも、おひなさまは『流しびな』がルーツです。今のような人形は江戸時代からで、立派な人形を作ったために『1年で流すのは非常にもったいない』となり、厄を人形の中に封じ込め、飾る必要がなくなったときに供養するものになりました。その人の厄が入っている人形だから、人形を受け継ぐことは厄を受け継ぐことになってしまいます」
Q.伝統的なひな人形を数多く収集・研究している日本玩具博物館はNG説を否定し、「受け継がれてきたひな人形がある」と説明しています。
倉片さん「旧家のひな人形をよく見てください。いくつありますか。1組ではなく何組もあるはずです。『これは、おばあちゃんのひな人形』『これは、ひいおばあちゃんのひな人形』というふうに。皆さん、都合のいいように解釈しています」
Q.協会の漫画に対し、ネット上では「人形を売る立場だからでは」との批判があります。
倉片さん「批判は予想していました。あえて『NG』という、きつい表現を使った面もありますので。実は、これまでも『厄よけ』のことは協会として言ってきたのですが、なかなか世間に広まらない。今回、広報委員会の中で『はっきり言わないと伝わらない』との声が出て、『NG』という表現にしました。
本音では『おさがりはNG』というより『おさがりでいいんですか』と問いかけたいのです。本来、女性の厄を肩代わりしてくれるものを親子で引き継ぐのは、いかがなものでしょうかと。確かに人形が売れた方がよいというのもありますが、皆さんにひな人形の意味を考えてもらいたいという思いの方が強いです」
Q.姉妹での共有や、姉から妹へのおさがりもだめなのですか。
倉片さん「女性の厄よけの意味なら1人(1体)でいいのに、お内裏さまは男の人形もあります。これは、将来の旦那さまです。ひな人形の姉妹での共有は、旦那さんの共有になってしまいます」
Q.家の広さや経済的事情から「1人1セットは無理」という家庭もあると思います。
倉片さん「妹が生まれたとき、『飾る場所がない』という家庭は確かにあります。その場合、小さな人形もありますし、簡素なものでもいいのです。下の子は、服などもお姉ちゃんのおさがりが多いと思います。『ひな人形はお姉ちゃんと一緒』と言われても、下の子には『私のもの』という意識がない。お姉ちゃんの分より小さくても、見た目が違っても、『自分のもの』を買ってあげると喜びます。経済的事情があるなら、極端な話、最初は折り紙で作ったものでもいいので用意してあげてほしいと思います」
日本の伝統行事の一つであるひな祭りですが、少子化もあって、ひな人形の販売数は年々減っているそうです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190303-00035024-otonans-soci
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