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- 18/12/12 19:53:38
「もし明日、羽生結弦選手がいなくなったら?」 太田雄貴、“選手に依存しない”協会運営で改革に挑む
2018.12.08 09:57
「個人的には選手に依存する大会運営、協会運営には危機感を持っています。フィギュアスケートの羽生結弦選手のようなスーパースターが毎回出てくるのであれば話は別ですけどね。それでも仮に羽生選手が『明日、引退します』ということになったら、協会の収入は一体どれだけ減ってしまうのか。そう考えると、やはり協会のやるべきことは選手の人気に頼らず安定的、持続的な経営基盤を整えていくことにあると思うわけです」
大胆な例を挙げて協会運営に関する持論を述べたのは、2017年8月に公益社団法人日本フェンシング協会の会長に就任した太田雄貴氏(33)だ。2008年北京五輪での銀メダル獲得、さらに2015年にモスクワで行われた世界選手権で金メダルを獲得するなど、日本フェンシング界の第一人者である太田は現在、30代前半の若さにしてフェンシングの将来を担う大改革に取り組んでいる。就任当初から「協会運営の健全化」を第一に掲げていた太田だが、その考えに至る過程には自身の苦い経験があった。前述のように北京五輪で銀メダルを獲得した太田は一躍脚光を浴びたが、フェンシングの話題性は間もなく収束し、期待した競技人口増の起爆剤にはならなかった。だからこそ、選手の人気に依存する協会運営には否定的なのだ。その代わり、頭の中に思い描いている理想像がある。
「私が目指しているのは劇団四季。誰が演じても高いクオリティを保つことができるエンターテインメント集団です。もちろん熱心なファンは誰が演じているか出番を調べて観に行くこともあると思いますが、誰が演じるかではなく、演目のクオリティ自体を上げることが重要です。『フェンシングを観に行くっていいよね』という流れを作り、仕事の商談やカップルのデートの場に使ってもらえたら嬉しいですね」
さらに太田は野球やサッカーなど、国内の主要なスポーツに置き換えて次のように持論を展開した。
「野球やサッカーなどのメジャースポーツがこれほどメジャーになった理由の一つには、テレビ局や広告代理店の注力コンテンツになったという事実がある。ただ一方では本来協会が得ることができたはずの収益損失、さらに外部に委ねたことによってマーケティングのノウハウが協会内に蓄積されていないという中長期的なマイナス面もあるはずです。そのため僕らは、出来るだけ自分たちの手足を動かすように努めています。ゼロベースで委ねることはありません。そもそも、マーケティング・コンテンツとしてフェンシングに興味を持ってもらえるようになったのはつい最近のことですけどね(苦笑)」
>>1に続く
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